1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07836007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古谷 研 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30143548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 輝 三重大学, 生物資源学部, 助手 (00273350)
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Keywords | 原始緑藻類 / 原核緑藻類 / ピコ植物プランクトン / 植物プランクトン / ディビニルクロロフィルa / 黒潮 / 亜表層クロロフィル極大 |
Research Abstract |
1995年4、6、7、9、10月に本州南方の黒潮域、5月の親潮域および4月の東シナ海において原始緑藻類の分布調査を行い、併せて、クローン株を用いて増殖および光合成色素含量の光依存性を明らかにした。 ディビニルクロロフィルa(chl.a_2)を指標にした空間分布調査の結果、原始緑藻類は黒潮域およびその沖合い域に普遍的に出現すること、親潮域には全く出現しないこと、沿岸域では極めて低い現存量であることを認めた。また、有光層を通して原始緑藻類のサイズ画分には青色励起で赤色蛍光を発する藻類群が10^3〜10^4細胞/1の桁で多数混在することが明らかとなった。これらの藻類群は緑藻あるいはプラシノ藻と考えられるが分類学的位置は今後の課題である。原始緑藻類の出現域は水温と明瞭に対応した。即ち、19℃以上の水塊に広く分布し、最大分布層の水温は20〜21℃、17〜18℃では痕跡程度の出現、16℃以下で全く出現しなかった。また、出現域の硝酸塩濃度は0〜3μMの範囲にあった。分布中心は弱光層に存在し、chl.a_2が100ng/l以上出現した光量域は2〜20μE/m^2/sであった。 原始緑藻類の増殖に対する至適光量は株によって大きく異なり、3株で53〜283μE/m^2/sで、比増殖速度は0.26〜0.66d^1あった。増殖可能な光量域は実験で設定した最少光量である6μE/m^2/sよりも低く、また、光量の減少に対して細胞内chl.a_2含量は指数的に増加することが明らかになり、現場における本群の弱光域での分布を支持した。栄養素依存性については無菌株を確立できなかったので十分な解析を行えなかったが、窒素源として尿素を利用し、硝酸塩単独では生育しない特異な生物群であることを認めた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ken Furuya: "An automated precise Winkler titration for determining dissolved oxygen on board ship." Journal of Oceanography. 51. 375-383 (1995)
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[Publications] Ken Furuya: "Distribution of phytoplankton in the East China Sea in the winter of 1993." Journal of Oceanography. 52. 323-333 (1995)
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[Publications] Akira Ishikawa: "A sampling device to measure in situ germinationrates of dinoflagellate cysts in surface sediments." Journal of Plankton Research. 17. 647-651 (1995)
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[Publications] Akira Ishikawa: "Contribution of benthic cysts to the population dynamics of Scrippsiella spp in Onagawa Bay,northeast Japan." Marine Ecology Progress Series.140. 169-178 (1996)
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[Publications] Ken Furuya: "Biogeiochemical Processes and Ocean Flux in the Western Pacific." Sakai,H.& Y.Nozaki,Terra Scientific Publisher, 672 (1995)