1996 Fiscal Year Annual Research Report
円石藻における石灰化及び光合成関連遺伝子に関する研究
Project/Area Number |
07836013
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
伊藤 祥子 (藤原 祥子) 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (30266895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都筑 幹夫 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70155430)
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Keywords | 円石藻 / 石灰化 / 光合成 / 遺伝子 |
Research Abstract |
1.申請者らは、これまでに円石藻Pleurochrysisを用いて円石形成細胞で特異的に発現している遺伝子の3′端を含むcDNA断片を得ていたが、さらに5′上流域の配列を明らかにするため、5′上流域をPCR法により増幅した。すなわち、cDNAライブラリーのベクターの配列とcDNA断片の配列とを基に合成した3種類のプライマーを用いて2段階のPCRを行い、増幅されたDNAの配列を決定した。この方法によりさらに200塩基対ほど5′上流域を含むDNA断片を得ることができたが、5′端を含むと考えられるDNA断片は単離することができなかった。 2.石灰化に関与する遺伝子を円石欠損変異株に導入することを目的として、遺伝子導入系の開発を試みた。先ず、微細藻類のモデル系として、増殖が速くマーカー遺伝子を導入した形質転換体の選択条件も確立しているクラミドモナスを用いて、エレクトロポレーションによる遺伝子導入系の改良を行った。浸透圧調整(TAP培地+40mMショ糖)を行い、プレーティング時にコーンスターチを加えることにより、従来のグラスビーズ法の100倍程度の効率で(8x10^4transformants/μgDNA)形質転換体を得ることができた。次に、この方法を円石藻にも応用することを目指して、円石藻の形質転換体選択用培地の検討を行った。クラミドモナスや高等植物で用いられているble遺伝子やneo遺伝子が使えるかどうか調べるために、Pleurochrysisの増殖に対するzeocinやKmの影響を調べたところ、Kmでは700μg/mlでもコロニー形成はほとんど阻害されなかったが、zeocinでは20μg/mlで完全に阻害された。今後は、zeocin耐性遺伝子であるble遺伝子を用いてPleurochrysisでのエレクトロポレーションの条件を検討する予定である。
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Research Products
(1 results)