1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07838012
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Research Institution | YAMANASHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
辻 政秀 山梨医科大学, 医学部, 講師 (70262665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 佳代子 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (20185325)
大西 正俊 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50014139)
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Keywords | 片側性顎関節症 / リモデリング / 機能的負荷 / 片側咀嚼 / 加齢変化 / 適応形態 / 健常者 / 下顎頭形態 |
Research Abstract |
(目的) 咀嚼様式が顎関節症発症におよぼす影響を明らかにすることを目的とした。 本研究は、分担者の大西のアフリカ・ナイジェリアにおける海外学術調査の結果から着想を得たもので、食環境を含めた咬合、咀嚼様式が顎関節に与える影響、特に関節部への荷重、負荷との関連性を想定し、臨床的調査研究から、その頻度を明らかにすることを目的とした。 (結果) 有歯顎の片側性顎関節症50例を対象としたX線撮影像の下顎頭P-A像の患側、健側の比較検討から下顎頭形態には差がみられた。 すなわち、健側の形態変化が患側の形態変化より大きいことが明らかとなった。このことは、健側におけるリモデリング、形態変化の適応が患側のそれよりも大きく、患側における適応の遅延が症状の発症の要因となることと考察され、本症発症の要因として示唆された。しかしながら、対象症例の下顎頭の形態変化は、アフリカナイジェリアでの調査の結果と比較して小さく、日本人との人種的骨格、食習慣の相違と考察された。 本研究の結果は最近指摘されている顎関節症の発症と顎関節の軟体化、そして軟かい食物環境に対する警鐘として、また生理的歯の咬耗の起こらない金属歯科充填物、歯科補綴物による歯科治療体系の再検討を示唆することも考えられる。
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[Publications] 大月佳代子: "顎関節内障に対する鏡視下円板縫合・固定術の術後成績-「術後の患者の満足度」を加えた臨床評価-" 日本顎関節学会誌. 8・1. 69-78 (1996)
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[Publications] 大月佳代子: "変形性顎関節症" 歯科診療O&A. (1996)
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[Publications] 大月佳代子: "顎関節疼痛に対する外科療法-関節鏡視下レーザー手術-" 歯界展望. 34-40 (1995)