1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07838023
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井上 秀夫 徳島大学, 歯学部, 教授 (30028732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 佳宏 徳島大学, 歯学部, 助手 (70263845)
上野 明道 徳島大学, 歯学部, 助教授 (80136267)
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Keywords | 咀嚼 / 唾液腺 / オルニチン脱炭酸酵素 / がん原遺伝子mRNA / アミラーゼ分泌 |
Research Abstract |
本年度の研究では、先に行ったマウスを用いた結果と比較するため6週令のラットをオリエンタル酵母社製(MF)の固形又は粉末飼料で7〜13週間飼育し、耳下腺の分泌能と増殖能について検討した。 まず、ラットの体重増加では固形群が、顎下腺重量では粉末群がやや大きい値を示した。しかし、耳下腺重量はマウスと同様に両群で差はみられなかった。一方、唾液分泌促進剤(イソプロテレノール)に対する耳下腺の応答性でも一部マウスと異なる結果が得られた。すなわち、アミラーゼ分泌促進はマウスでは固形群が高値を示したが、ラットでは逆に粉末群の方が高くなった。増殖能の指標であるオルニチン脱炭酸酵素(ODC)活性とc-fosのmRNA量の上昇はマウスでは両群で差が認められなかったがラットでは前者が粉末群で、後者は固形群で高値を示した。なお、イソプロテレノールによるODCとc-mycのmRNA量の増加はラットでもマウスと同様に両群では差は認められなかった。 以上の結果はラット耳下腺の分泌能と増殖能が飼料形(咀嚼)の影響をうける可能性を示唆している。しかし、マウスを用いた結果と一致しない原因や咀嚼強度が弱く、回数も少なくてすむと考えられる粉末群で分泌応答が増殖された理由については現在のところ全く不明である。但し、これまでの研究は例数が少なく、経時的検討も不十分と考えられるので今後の研究では実験開始時の動物の週令なども考慮して、より詳細に追求しなければならない。
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