1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07838041
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高西 淳夫 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (50179462)
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Keywords | 咀嚼 / ロボット / 医用生体工学 / ヒューマノイド / 顎 / 口腔 / アクチュエータ / 粘弾性 |
Research Abstract |
平成7年度は,非線形粘弾性アクチュエータの数学モデル構築および基礎特性の実験をおこなった.ヒトの筋の力学モデルは基本的には収縮要素と直列弾性要素の2要素モデルで表現でき,収縮要素には弾性要素とともに粘性要素も含まれている.ヒトがかたい食物を噛む際には食物を破砕するために大きな張力を発生し筋がかたくなり,同時に食物の破砕による急速な閉口運動を防ぐために粘性も大きくなる.またやわらかい食物を噛むときには大きな張力を発生する必要がなく,急速な閉口運動もないため筋はやわらかいままであると考えられる.このような筋の特性に着目し,非線形な粘弾性特性を有するアクチュエータを開発することを目指した. 数学モデルの構築:3種類(タイプABC)の数学モデルを構築し,シミュレーションをおこなった.タイプAは「X」形に配置した2本の部材にワイヤとばねを組み合わせたモデルとした.タイプBは「Λ」形とし,タイプCは「<」形のモデルである.シミュレーションの結果,3種類すべてのモデルで非線形な特性が現れることを確認した. 基礎特性の実験:実際に製作する機構としてタイプCを採用した.粘性要素に相当するロータリーダンパの回転軸を,弾性要素に相当するねじりコイルばねの中心軸として使用し,それらを「<」形に配置した2枚のジュラルミン板の交差部分に設置した.この機構はねじりコイルばねの中心と,ねじりコイルばねの両端をつないだワイヤを引っ張る機構であり,ばねダンパ機構は自重や床面との摩擦の影響を考慮して直動リニヤガイドの上に搭載した.本機構の力-変位-速度特性を調べた結果,変位が増大するにつれて弾性係数・粘性係数ともに増大し,開発した筋アクチュエータが非線形な粘弾性特性を有していることを実験的に確認した.
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Research Products
(1 results)