1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07839002
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Research Institution | HAMAMATSU UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
鮫島 道和 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80135251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保 智己 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60188448)
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Keywords | 生体リズム / 生体時計 / 松果体 / メラトニン / 光受容細胞 / オシレータ / 同調 / 位相反応 |
Research Abstract |
松果体は、脊髄動物の間脳の背面から突出した微小器官で、光受容細胞・神経細胞・分泌細胞などから構成され、メラトニンを分泌している。特に、下等脊椎動物では、光受容細胞がよく発達していて、環境の微弱な明暗変化を直接受容し、生体を調節する信号として利用している。私達は、このような光受容性松果体の特によく発達したカワヤツメを用いて行動リズムの解析を行い、活行動の昼夜リズムの時計が松果体の中にある可能性を示唆した。本研究の目的は、リズムの時計が松果体自体の中にあることと、その時計がどのように光により位相調節されるのか、その仕組みを示すことにある。今年度は、オシレータがどのように光により調節されているかを明らかにすることを目的とした。このため、(1)松果体からのメラトニン分泌リズムが、明暗サイクルの位相前進・位相後退にたいしてどの様に反応するかを調べる、(2)連続明の条件下ではメラトニンリズムがどうなるかを調べる、(3)光パルスを与えて位相応答曲線を求める、ことを行った。その結果(1)明暗サイクルの6時間位相前進・後退に対して、メラトニン分泌リズムも同じ6時間位相前進・後退を示し、培養条件下にある松果体には光感受性があることが判明した。この位相応答では、新しいサイクルに同調するのが早く、それがどの様な機構に基づくものか興味がもたれた。また、(2)連続明の条件下では、2〜3日のうちにリズムが消失してしまうことが明らかになった。これも培養条件下にある松果体の光感受性を示す事実である。(3)については、連続暗の下で多数の記録を取って解析を行う必要があり、現在も実験が進行中である。(3)の結果を得るためには引き続き実験を行わなくてはならないが、以上の様に、今年度の研究から松果体にある時計にも光による同調機構が働いていることが明らかになった。
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[Publications] Tamotsu S.et al.: "Norepinephrine-induced phosphorylation of the transcription factor CREB in isolated rat pinealocytes." Cell and Tissue Research. 282. 219-226 (1995)
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[Publications] Terakita A., Takahama H., Tamotsu S.et al.: "Light-modulated subcellular localization of the alpha-subunit of GTP-binding protein Gq in crayfish photoreceptors." Visual Neuroscience. 13. 539-547 (1996)
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[Publications] Samejima M.et al.: "Melatonin excretion rhythms in the cultured pineal organ of the lamprey,Lampetra japonica." Biological Signals. 6. 241-246 (1997)
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[Publications] Tamotsu S.et al.: "Three-dimensional reconstruction of serotonin-immunoreactive photoreceptors in the pineal organ of the river lamprey,Lampetra japonica." Biological Signals. 6. 184-191 (1997)
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[Publications] Samejima M.et al.: "Circadian Organization and Oscillaotry Coupling." ed by K.Honma and S.Honma,Hokkaido University Press, 185-199 (1996)