1996 Fiscal Year Annual Research Report
カエルの脳は光を感じている:視物質の同定と光受容機構の解明
Project/Area Number |
07839009
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
大石 正 奈良女子大学, 理学部, 教授 (30112098)
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Keywords | 視物質 / 脳 / 松果体 / 視床下部 / カエル / 光受容体遺伝子 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
4種の無尾両生類(Rana nigromaculata,Rana catesbeiana,Bufo bufo japonicus,Xenopus laevis)を用いて、カエルロドプシンの抗体(BufoRh-As)による免疫組織化学を行った。すべての種で、BufoRh-Asは網膜の杆体の外節を染めた。トノサマガエルの松果体のろ胞に突出したpinealocyteの外節もよく染まった。ウシガエルとヒキガエルの脳視床下部の視交差上核、視索前核の細胞の細胞質と突起が染まった。以上の結果は、ウシロドプシン抗血清によるウシガエルでの結果とほぼ同様であり、カエルの松果体および脳にロドプシン様物資が存在することを強く示唆している。ヒキガエル視床下部cDNAライブラリーから視物質遺伝子のPCR産物をクローニングし、ピノプシン様視物質を明かにした。このtoad deep brain photoreceptor(toad DBP)のアミノ酸配列はニワトリピノプシンと76%、ニワトリロドプシンと49%、カエルロドプシンと46%のホモロジーを示した。系統樹では、グループL(赤視物質)から分岐するピノプシングループに入ることがあきらかになった。 カエルの概日時計機構:眼球除去を行なったカエルは、LD12:12のもとで、やはり夜行性を示し、その恒暗条件のもとでのフリーラン周期は正常なものに比べ顕著に減少した。また、恒明条件下でのフリーラニング周期の短縮は起こらなかった。視床下部視交差上核の電気的破壊を行ったところ、70%以上が破壊されたカエルにおいて、フリーラニングリズムが消失した。また、破壊の程度が70%以下の場合、57%のカエルでリズムが消失した。以上の結果により、アフリカツメガエルは、眼以外の場所、視床下部の視交差上核に概日時計をもっている可能性が示唆された。また、眼を除去することにより、フリーラニング周期が顕著に減少したことから、眼も概日時計の一部として関与していることが明かとなった。恒常条件下での光の強度によりフリーラニング周期が変化するというAschoffの法則は眼を除去したときには見られないことから、この現象に関しては、眼による光受容が重要であることがわかった。
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[Publications] M.Naruse and T.Oishi: "Annual and daily activity rhythms of loaches in an irrigation creeks and ditches around paddy fields." Environment.Biol.Fishes. 47. 93-99 (1996)
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[Publications] Y.Ikebe and T.Oishi: "Correlation between environmental parameters and behavior during high tides in Periophthalmus modestus." J.Fish.Biol.49. 139-147 (1996)
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[Publications] T.Oishi,Y.Mohri,T.Kaneko,M.Sasaki,A.Hattori,Y.Obara and A.Masuda.: "Retinal melatonin is not involved in corneal mitotic rhythms in the Japanese quail:Effects of formoguanamine hydrochloride and eye-lid suture." J.Pineal Res.21. 149-154 (1996)
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[Publications] Ikebe,Y.,and Oishi,T.: "Relationships between environmental factors and diel and annual changes of the behaviors during low tides in Periophthalmus modestus." Zool.Sci.14. 49-55 (1997)
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[Publications] Y.Harada,M.Goto,S.Ebihara,H.Fujisawa,K.Kegasawa and T.Oishi.: "Circadian locomotor activity rhythms in the African clawed frog,Xenopus laevis:The role of the eye and the hypothalamus." Biol.Rhythm Res.(in press). (1997)