1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07839015
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
眞鍋 勝司 横浜市立大学, 理学部, 教授 (10112484)
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Keywords | フィトクロム / リセプタータンパク質 / アフィニティー分画 / ファージディスプレイ / 抗体 / 化学架橋 |
Research Abstract |
フィトクロムAと特異結合性を持つタンパク質を同定するため、1)精製フィトクロムAと特異的に結合するペプチド配列をファージランダムペプチドライブラリーを用いて同定する、2)沈殿性フィトクロムを化学的にクロスリンクしてフィトクロムと架橋される膜タンパク質を同定する、の2つの方向から研究している。1)の方向では今年度はライブラリーを用いる方法自体の性能を検定するため、本研究室で作成したフィトクロムA単クローン性抗体を用いて、それとフィトクロムの結合部域を上記のライブラリーにより決定する実験をした。用いた単クローン性抗体はフィトクロムの光平衡状態を変化させるという興味ある性質を持つものである。その抗体と結合したファージをランダム部分のアミノ酸が6-merのライブラリーからは14クローンを、15-merのライブラリーからは10クローンを得てDNA配列を読んだ。そのうち15クローンがDGLLかDGFLという配列を含んでいた。これをコンセンサス配列と考えフィトクロム中で対応する配列があるかを検索したところ、アミノ末端から354番目からのDAVLが対応するのではないかと考えて合成ペプチドを用いて検討中である。いずれにしろこの方法ではアフィニティ分画を繰り返すことにより結合するファージのクローンが収束することが分かったので、フィトクロムに結合するペプチド配列を決定するために用いて行こうと思う。 第2に挙げた方法では、植物組織に光照射して得た膜分画(いわゆるpelletable phytochromeの分画)に2価性試薬のBSOCOESを作用させ化学架橋した。フィトクロムは架橋には関わらず光可逆性を保つが、架橋後の膜分画からはSDSによる熱溶出などの過激な処理以外ではフィトクロムが可溶化されなくなることが分かった。また、架橋した膜分画のフィトクロムのウエスタンブロットは精製フィトクロムを架橋したものとでは高分子領域のパターンがはっきりと異なることが分かった。膜分画ではフィトクロムと他のタンパク質が架橋したものと考え、現在架橋後のフィトクロムを抗体を用いてアフィニティ精製をして、架橋しているタンパク質のN末端アミノ酸部分配列を決定すべく実験を行っている。
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