1995 Fiscal Year Annual Research Report
東・北・西アジアの膠着言語における形態論と統語論の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
07851064
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
塚本 秀樹 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (60207347)
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Keywords | 膠着言語 / 日本語 / 朝鮮語 / 形態論 / 統語論 / 語形成 / 名詞化接尾辞 / 理論的枠組み |
Research Abstract |
入手した理論言語学・一般言語学関係の図書・論文によって、従来、提案されてきた動詞繰り上げ分析、語彙分析、二重構造分析、LF接辞移動分析やモジュラー語形成論などの理論的枠組みを検討し、入手した日本語・朝鮮語・トルコ語・モンゴル語・ツングース諸語などに関する参考書によって、まずは記述されている範囲内でそれぞれの言語の事実を確認した。また、朝鮮語・トルコ語・モンゴル語・ツングース諸語など、本研究代表者の直感が効かない言語に関しては、入念なインフォーマント調査を行い、その収集されたデータは、学生の補助を得て、パソコンを用いて整理した。 このような基礎作業に基づいて、各言語における使役構文や複合動詞構文、また日本語と朝鮮語では「〜を[動名詞]中に……」(例:英語を勉強中に……)といった現象、名詞化接尾辞、照応現象などに着目し、形態論と統語論の相互作用について考察した。その際、インターネット上の電子メールを用いたり、必要に応じて直接出向いたりして、他の所属期間の研究者と絶えず情報交換や議論を行った。 その結果、次のようなことなどを明らかにした。統語的な語形成が日本語では比較的活発に行われるのに対して、朝鮮語ではほとんど行われない。朝鮮語の語形成は、もっぱら語彙的なものである。また、膠着言語といった同じ範疇に属すると考えられる言語でも、語形成が行われる場所については程度の差がある。統語的な語形成が行われるかについて、トルコ語やモンゴル語は、比較的活発に行われる日本語と、ほとんど行われない朝鮮語の間に位置づけられると考えられる。そして、膠着言語の傾向がさらに進み、統語的な語形成が活発に行われる、抱合言語・輯合言語・多総合的言語などと呼ばれる言語に、日本語が最も近いと言える。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 塚本秀樹: "膠着言語と複合構造-特に日本語と朝鮮語の場合-" 複文の研究(上). 63-85 (1995)
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[Publications] 塚本秀樹: "日本語における慣用句と格支配小考" 言語探究の領域. 321-329 (1996)
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[Publications] 塚本秀樹: "動静の言語学" 月刊言語. 第25巻第5号(印刷中). (1996)
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[Publications] 塚本秀樹: "語彙的な語形成と統語的な語形成-日本語と朝鮮語の対照研究-" 国立国語研究所報告対照研究III 日本語と外国語との日本語と朝鮮語. (印刷中). (1996)
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[Publications] 塚本秀樹: "研究の回顧と展望-日本語との対照研究" 国立国語研究所報告対照研究III 日本語と外国語との日本語と朝鮮語. (印刷中). (1996)
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[Publications] 塚本秀樹: "グローバル朝鮮語-朝鮮を学び、朝鮮に学ぶ-" くろしお出版, 135 (1996)
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[Publications] 塚本秀樹: "格と構造-日本語と朝鮮語の対照研究-" 250 (1996)