1995 Fiscal Year Annual Research Report
外為リスクの最適マネジメント手法の構築のための期待要素を重視した変動要因分析
Project/Area Number |
07853014
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
小笠原 宏 流通科学大学, 商学部, 専任講師 (10258163)
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Keywords | 外国為替 / 相場変動 / 期待要素 / ディーリング |
Research Abstract |
短期における外為相場(ドル円直物ルート)の変動分析を通じて、短期的将来の為替相場の予測に出来るだけ有効なアプローチを試みた。その際もっとも重視したのはいかにして市場における取引主体のもつ将来期待を反映させたアプローチが構築できないということだった。一連の相場情報群(寄与、終値、高値、安値といった何等かの特別の意味付けをもちうるような相場情報と、市場取引のパワーを示し売ると考えられそうな各種の取引関連情報(例えば取引高等))及び突発的に生起した各種の関連ニュース類の双方をどのように整合的にモデルにいれるかは試行錯誤を繰り返したが、完全に所期の目的を達成するには現在のところ不十分である。モデルの設計の不備、データの不備、或いはその双方に応分の原因があると思われる。基本的に比較的短期の時系統的な変数の採用、線形モデルによる近似推定の方向で解析をしたが、外部からの直接、間接の為替相場で材料視される要因の導入の仕方に様々な施行の余地があると思われる。相場に関して点推定でなく、いわばレンジ推定というべき精度をもって、比較的柔軟な将来予測を行い、それに機動的なディーリング手法との組み合わせで相当なリスク管理が可能というのが基本姿勢であるが、研究中使用可能な従来のデータを基にした解析では、比較的相場変動が落ち着いている期間については相当の精度が期待できるように感じた。しかし一端大きなニュース要因などがおきた場合従来の軌道から大きくそれて新たな軌道へのどれくらいの変動が起きるのか、あるいは調整機能がどれだけ働くのかはなかなか識別できない問題である。今後は更にデータを新しいものに加え、ニュース要因の再検討(現在は新聞一面記事を主に取り上げた)を行い、加えてディーリング手法の再構築を行いモデルの改良の引き続きを試みるつもりである。
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