1995 Fiscal Year Annual Research Report
山岳積雪に保持された黄砂粒子中の炭酸塩に関する研究
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07854022
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長田 和雄 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (80252295)
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Keywords | エアロゾル / 黄砂 / 炭酸カルシウム / 積雪 |
Research Abstract |
大気中エアロゾルに含まれる炭酸成分の濃度測定は、炭酸カルシウムの大気を介した輸送と輸送中の粒子表面における化学反応を探る上で重要である。しかし、試料の採取と処理、試料中の炭酸塩濃度の測定が難しいため、大気エアロゾル中や雪中の炭酸塩濃度の測定例は世界的に見ても極めて少ない。降雪や積雪中の微粒子は雨水の場合と異なり、水と反応する前の大気エアロゾルが凍結保存されているので、雪試料から固体粒子だけをうまく取り出す方法があれば、山岳積雪などを用いることにより大気エアロゾル中の炭酸塩濃度の時間変化を知ることも将来的に期待される。本研究では、この粒子取り出し方法の確立と取り出した固体粒子中の炭酸塩濃度を測定する方法を模索することに焦点を絞った。 雪中の個体微粒子取り出しには、購入した設備備品の卓上型真空凍結乾燥機を用いた方法試みた。この真空凍結乾燥機は所定の性能を発揮した。しかし、後続する炭酸塩分析感度の問題のため、大量の雪試料を一度に処理する必要があり、そのためにはかなりの時間を要する。炭酸塩濃度の測定には、イオン排除クロマトグラフ法を検討した。中部山岳地帯、立山にて初冬期に採取した雪試料を用いての検討結果から、当初の分析感度では、大量の雪試料を用いて多くの個体微粒子を一つのサンプルにまとめることが必要となる。今後一層の分析感度向上に向けて分析条件の最適化を必要とする。
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