1995 Fiscal Year Annual Research Report
主鎖に3重結合を含む高規則性π共役高分子の合成とその光応答性
Project/Area Number |
07855109
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 司 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (40239158)
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Keywords | ゼロ価パラジウム錯体 / ポリアリーレンエチニレン / 3次非線形感受率 / 分子内電荷移動 |
Research Abstract |
触媒量のゼロ価パラジウム錯体存在下、モノマーであるジエチニル芳香族化合物とジハロゲン化芳香族化合物とを脱ハロゲン化水素重縮合反応を行うことにより、主鎖に3重結合を有するπ共役高分子ポリアリーレンエチニレン類(PAE)の合成を行った。PAEに導入した芳香族ユニットとしては、ピリジン・チオフェン・ベンゼン・ヘキシルチオフェン・ヘキシルピリジンユニット等があり、ポリマー主鎖中に導入可能な芳香族ユニットには概ね制限がなかった。ヘキシルチオフェンあるいはヘキシルピリジンユニットを有するPAEはクロロホルム等の一般の有機溶媒に可溶であり、分子量や構造等のキャラクタリゼーションが可能となった。すなわち、NMRを用いた構造解析により目的とするポリマーが得られていること、GPCや光散乱法により重量平均分子量が2万程度のポリマーが得られていることがわかった。 キャスト法により作製したPAE薄膜の3次非線形感受率_χ^<(3)>をTHG法により評価した。その結果、ヘキシルチオフェンユニットを有するPAEが2.1-4.7X10^<-11>esu程度の_χ^<(3)>値を示し、π共役高分子化合物の中では大きな値をとることがわかった。さらに、本重合法では様々な芳香族ユニットをポリマー主鎖中に導入可能であることから、主鎖π電子状態の異なったPAEで_χ^<(3)>の評価を行い、どのような構造を有するものが大きな_χ^<(3)>値を示すか系統的に調べた。その結果、電子供与基であるチオフェンユニットを持つもの、溶解性の向上を目的として側鎖アルキル基の導入されたもの、チオフェンのような電子供与基とピリジンなどの電子受容基の両方のユニットを有する分子内電荷移動型のものが大きな_χ^<(3)>値を示すことがわかった。
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[Publications] T.Maruyama and T.Yamamoto: "New copper complex with-conjugated electrically conductive polymer chelating ligand, poly・・・" Inorganica Chimica Acta. 238. 9-13 (1995)
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[Publications] T.Maruyama,S.Suganuma,and T.Yamamoto: "Preparation of -cojugated polythiazoles and their electrically conducting properties." Synthetic Metals. 74. 183-185 (1995)
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[Publications] T.Yamamoto,S.Suganuma and T.Maruyama: "Poly(4, 4′-dialky1-2, 2′-bithiazole-5, 5′-diy1). New Electron-withdrawing-conjugated polymers・・・" J. Chem.Soc. , Chem. Commun.1613-1614 (1995)
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[Publications] 山本隆一,丸山司,森北孝志: "可溶性ポリアリーレンエチニレン類の合成と物性" 化学と工業. 49(掲載予定). (1996)