1995 Fiscal Year Annual Research Report
Mg^<2+>等の二価陽イオンが骨格筋収縮制御の生化学反応を制御する直接証拠。
Project/Area Number |
07857004
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山口 眞紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30271315)
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Keywords | 骨格筋 / バナジン酸 / マグネシウムイオン / CDTA処理 |
Research Abstract |
カエル骨格筋スキンドファイバーを用い以下の実験を行った。 1.バナジン酸による収縮抑制効果のMg^<2+>感受性の由来を調べ、アクトミオシン収縮のどの生化学的過程が、Mg^<2+>によって修飾されているかを追求した。 まず初めに、Mg^<2+>濃度の異なるいくつかの収縮系(過剰MgADPによる収縮、低MgATPによる収縮)で、バナジン酸の張力抑制を調べたところ、いずれの系でも低Mg^<2+>では抑制がおこらないことが確かめられた。次に、この低Mg^<2+>による脱抑制が、(1)バナジン酸重合体の形成(2)バナジン酸-ミオシン複合体の不安定化、(3)バナジン酸とミオシンの親和性の減少、のいずれによるかを調べたところ、(1)と(2)が否定され、したがって(3)であることがわかった。すなわちリン酸放出直後のアクトミオシンがMg^<2+>を感じていることが考えられる。 2.筋タンパク中の主要な二価イオン結合部位であるトロポニンCとミオシン軽鎖2をCDTA処理の方法で除去してもこのMg^<2+>感受性は残ったので、Mg^<2+>を感じているのは別の部位であることがわかった。
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