1995 Fiscal Year Annual Research Report
病原性酵母カンジダの染色体再配列に関わるRPS1配列とその転写反応
Project/Area Number |
07857019
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
岩口 伸一 奈良女子大学, 理学部, 講師 (40263420)
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Keywords | Candida albicans / 分子生物学 / 反復配列 / PCR |
Research Abstract |
本研究ではRPS1がRNAを介した組み換えに関与しているかを調べるために、まずC.albicansにおいて発現型RPS1の単離を試みた。発現型のRPS1相同配列は、1006、WO-1株ともに同じ大きさで、約1.3kbであった。発現量はアクチン遺伝子のそれとの比較から、2株とも同程度発現していると考えられる。本研究では新たな試みとして、マグネット・ビーズ上にcDNAライブラリーを構築を行った。これにより安定にライブラリーが保存することができ、さらに、マグネット上のcDNAを鋳型にしてPCR、あるいは、サブトラクションやDNA結合タンパク質などの検索が可能になる。RPS1配列の大きさは、2.1kbなので配列の全てがmRNAとして転写されているわけではない。そこで、RPS1配列のどの部分が発現されているかをPCR法により検討した。マグネット上のcDNAを鋳型として、RPS1由来のプライマーと(dT)_<18>プライマーによりPCRを行った。その結果、プライマー24279、24280、22531、13267とXhoI-(dT)18との組み合わせでPCR産物が得られた。このことは、発現型RPS1は少なくともnon-REP配列とCOM29配列を含むことを示している。REP配列については、その存在はこの実験からは定かではないが、COM29配列がオリジナルのRPS1配列では常にREP配列に接しているのでおそらく発現型RPS1においても存在しているものと推定された。また、COM29由来のプライマーである13267によるPCR産物の大きさは、最も大きいもので約1.2kbのものが認められるので5´末端側にCOM29由来の配列が存在すると予想される。それぞれのPCR産物のクローニングが現在行われている。
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