1995 Fiscal Year Annual Research Report
実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎における松果体および血中メラトニンの測定
Project/Area Number |
07857122
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
門 正則 旭川医科大学, 医学部, 講師 (90169532)
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Keywords | 松果体 / メラトニン / 実験的ぶどう膜炎 / IRBP / ラット / 電気泳動 / 抗メラトニン抗体 / ラジオイムノアッセイ |
Research Abstract |
(1)実験的ぶどう膜炎作成のための網膜抗原の分離精製 実験的ぶどう膜炎モデルの作成のための網膜抗原としてS抗原を予定していたが,その精製が困難であることがわかり,Interphotoreceptor retinoid-binding protein (IRBP)を精製することとした。S抗原よりIRBPの方がより強く松果体炎を惹起すると報告されており,今回の実験目的に合致すると考えられた。まず,牛網膜にリン酸緩衝液(PBS)を加え,可溶成分を抽出した。次に,Con A Sepharoseとmethylmannosideを用いて糖蛋白質を溶出回収した。さらに,液体クロマトグラフィーと遠心式濃縮器を用いてIRBPを精製濃縮した。電気泳動によりIRBPに相当するバンドが確認され,最終的に270μgのIRBPが回収できた。 (2)ラットを用いた実験的ぶどう膜炎モデルの作成 精製したIRBPをLewis rat3匹にそれぞれ10μg,5μg,2.5μg投与し,3週間にわたり3日ごと尾静脈より採血を行った。 (3)メラトニン量測定系の確立 抗メラトニン抗体,3H標識メラトニン,抗IgG抗体を用いてメラトニン定量のための測定系を確立した。この測定系の標準曲線のED50は3ng/mlであった。 (4)ぶどう膜炎モデル動物の血中メラトニンの測定 上記の測定系を用いて正常ラットとIRBPを投与したラットの血清メラトニン量の測定を試みたが,有意な変化を認めることができなかった。 (5) 今後の課題 確実な実験的ぶどう膜炎モデルの確立とメラトニン量測定の感度の向上をはかり,ぶどう膜炎と松果体炎の関連についてさらに研究を進めたい。
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