1995 Fiscal Year Annual Research Report
生理学的エネルギー供給システムの物理的モデルをもとにした-ランニングペースの研究
Project/Area Number |
07858008
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
土居 陽治郎 国際武道大学, 体育学部・体育学科, 講師 (90227695)
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Keywords | エナジェティクス / ランニングペース / 物理モデル / 最適制御 / ローマン反応 / 数値解法 |
Research Abstract |
本研究では、3つの相互作用を伴った系(ATP-PCr系、乳酸系、有酸素系)からなる生理学的エネルギー供給システムの物理的なモデルを提示し、そのモデルをもとに陸上競技におけるランニングのペース配分という質点力学系問題を検討することを目的とした。その際に、最適制御理論を導入し、持っている生理学的エネルギー能力を最大限に発揮した場合のペース配分について検討を行ない、100m、400m、800m、1500mといった種目において、最高の競技成績を達成するためのランニングペース配分を生理学的エネルギー供給システムと質点力学モデルを用いて数学的に解くことを試みた。 生理学的エネルギー供給システムのモデル化については、Margariaモデルをベースに数多くの実験的知見を物理数学的に関連性を持たせ、細胞内のATP濃度は変化しにくいというローマン反応を最適制御理論に適用させた。また、力学系は質点運動における運動方程式を変形させ、パワー次元の方程式を導き、そのパワー次元で生理学的なモデルと整合性を持たせた。こうした関係を非線形の連立微分方程式で記述し、ローマン反応という基準下で最高のパフォーマンスを達成できるような拘束条件を与えて、コンピュータによる数値解法を行なった。 その結果、短距離種目では乳酸系の発揮する役割が大きく、中距離種目では乳酸系発揮のタイミングが重要となることが明らかとなった。また、このモデルをもとに計算した結果は、実験的に報告されている生理学的なデータとよく一致しており、構築した物理数学モデルの妥当性は高いことが示された。
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Research Products
(2 results)