2007 Fiscal Year Annual Research Report
導電性高分子/生体高分子複合体を用いたバイオセンサーの開発
Project/Area Number |
07F07362
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新海 征治 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DAWN Arnab 九州大学, 大学院・工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 導電性高分子 / 分子認識 / センサー / 重合 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、ある種の分子超構造体の表面でおこる選択的な電気化学重合を利用した導電性高分子のナノファブリケーション法を開発し、(Angew.Chem.Int.Ed.2004,43,465)。本方法論を拡張することで、脂質集合体などの人工系からDNA等の生体分子まで、マイクロオーダーの分子超構造体を鋳型として利用可能な事を既に見出している。本研究においてはDr.DAWN Arnabが有する導電性高分子化学とコロイド化学の知識を活用して、上記研究の応用的展開を図る。即ち、ホスト化合物を基本骨格として生成する超構造体を鋳型として用い、その表面で生成する導電性高分子を利用して分子認識応答と電気化学的読み出しの共役を一般化する。導電性高分子は電気化学的に活性であるため、鋳型となったホスト化合物の分子認識を接合している導電性高分子の電気化学的変化として読み出すことが可能となる。この方法は導電性高分子の分子構造のひずみが電気化学読み出しの鍵となるため、分子認識の読み出しによく利用される静電的相互作用は必ずしも必要ではない。分子認識の新規read out法を開発し、より一般化したセンサーの開発を目的とする。さらに、センサーの高性能化を図るため、分子認識性導電性高分子の集積化、薄膜化、金属ナノ粒子との複合化による高感度検出・電気的光学的検出を試みる。本年度は、来日スケジュールの都合により、研究期間が5ケ月と限られていたため、鋳型として用いる超構造体の選定並びに合成を進めた。分子集合体をコンポーネント化することで、モノマーのライブラリーを構築することが出来る。分子集合体の多様性が獲得できれば、導電性高分子との組み合わせにより、形状依存性を有するセンサーライブラリーが構築出来る。種々の芳香族カルボン酸とアミンとの組み合わせにより、π-πスタックや水素結合、アルキル基間の相互作用を駆動力とした一連の繊維状分子集合体を構築することが出来た。来年度以降は、この分子集合体と導電性高分子を組み合わせ、ターゲット分子のセンシングに活用する。
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