2007 Fiscal Year Annual Research Report
構造材料中の閉じたマイクロクラックを超高感度に評価する手法の開発
Project/Area Number |
07F07379
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
燈明 泰成 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AKADNA Md.Abdus Salam 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 機械材料・材料力学 / き裂閉口 / 弾塑性特性 / 微小き裂 / 非破壊評価 / 超音波探傷 / 斜角横波 / ステンレス鋼 |
Research Abstract |
平成19年度は申請時に計画した研究を遂行し、以下の研究実績を得た。 1.最適な励起超音波モードの検討 異なる厚さ(1〜20mm)の構造部材に存在する、閉じた微小き裂を超高感度に検出し得る超音波モードを探索した。裏面に100μm〜2mm深さのき裂を有する、厚さ12〜15mmのステンレス鋼製試験片に対して、様々なモードの5MHz超音波を励起し、各種超音波モード(垂直縦波、微小入射角縦波、大入射角縦波、様々な鋼中屈折角の横波)のき裂信号強度を比較した。その結果、深さ2mm以下のき裂に対しては、小さな屈折角の横波の信号強度が最も高く、これにより高感度な閉じたき裂の検査が行えることを見出した。き裂深さが減少した場合、最適な横波屈折角も減少する。2mm深さまでのき裂に対しては、鋼中屈折角50°の横波を用いることで、広いき裂深さ範囲において高感度なき裂検査が実現できることを見出した。特に数100μm深さのき裂に対しては、鋼中屈折角40°横波のき裂信号強度が最も強く、これより浅い数10μm深さのき裂に対しては、さらに周波数を増加させることにより、超高感度な微小き裂評価が行える可能性を見出した。 2.超高感度超音波センサの実現 上記で見出した超音波モードおよび入射角を実現できる超高感度超音波センサを実現した。ここに鋼中屈折横波が、縦波のモード変換を利用して励起できることに着目し、圧電素子型縦波超音波探触子の入射角度を可変とする治具を具備した超音波センサを試作した。なお、同縦波超音波探触子は中心周波数の異なるものに変更可能である。さらに、き裂閉口の問題がき裂先端部での塑性変形に起因することに鑑み、微細材料の弾塑性特性を取得する試験方法を考案した。
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Research Products
(1 results)