2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ組織・構造制御による高性能ナノ構造化燃料電池用酸化物薄膜素子の作製と特性評価
Project/Area Number |
07F07561
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
森 利之 National Institute for Materials Science, 燃料電池材料センター, 副センター長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DING Rong Ou 物質・材料研究機構, 燃料電池材料センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 燃料電池 / 固体電解質 / 薄膜 / ナノ構造 / 界面 |
Research Abstract |
これまでの燃料電池の動作温度空白領域(200℃から500℃)においても、高い性能を有する酸化物燃料電池用材料の開発を目指し、こうした温度領域で高い性能を有する燃料電池を作製するために、3価の希土類ドープセリ薄膜固体電解質材料の合成と、その合成ルートの違いが電解質/電極の界面構造のナノレベルのおける変化と物性に与える影響を精査することを目的に実験を行った。今年度は、まず、3価の希土類ドープドセリア薄膜固体電解質薄膜を、従来手法である電気泳動法と、新規薄膜合成手法である、ミストCVD法により合成し、その微細構造の特徴についての考察を行った。高分解能透過電子顕微鏡観察により、ナノ構造を詳細に解析したところ、薄膜XRD分析などの、通常の結晶構造解析手法の検出限界に埋もれたナノ構造の特徴が、いくつか明らかになった。特に、電極と薄膜固体電解質間に、バルク固体中には認められない、特異なナノ構造が多数観察された。このように、通常の薄膜XRD分析では、知覚しがたいほどの小さな大きさで薄膜中に広がる、ナノ構造の特徴を、高分解能電子顕微鏡による観察とそのイメージアナリシスを行うことで、薄膜固体電解質の性能発現を妨げていた、ナノレベルにおける構造の特徴が明らかになり、そのナノ構造を、導電特性を最大化できるように、最適化することで、これまでの薄膜素子の能力を大幅に向上させることが期待できるので、その研究の意義は大きく、重要性は高い。
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