2007 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ独自の文明化・自立的発展論に関する歴史的研究:植民地初期ガーナの事例から
Project/Area Number |
07J01314
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
溝辺 泰雄 Tokyo University of Foreign Studies, アジアアフリカ言語文化研究所, 特別研究員(PD) (80401446)
|
Keywords | アフリカ史 / ガーナ(ゴールドコースト) / アフリカのメディア(新聞) / 近代化 / イギリス領西アフリカ / 第二次世界大戦とアフリカ / 和魂洋才論 / アフリカ人エリート |
Research Abstract |
研究第1年目にあたる平成19年度において、報告者は、1.現地及びイギリスの文書館及び資料館における関連資料の収集、2.海外研究者との意見及び情報交換、3.海外学会における研究発表、を研究目標に設定した。 まず、1.については、昨年8月から約一ヶ月半に渡って実施したガーナ共和国での文献調査において、20世紀初頭の旧英領黄金海岸で発行された現地系新聞のうち、現地文書館(ガーナ国立公文書館アクラ本館及びケープコースト分館)のみが所蔵するThe Ashanti Pioneer(1943年から45年分)及びThe Gold Coast Observer(同)2紙の重要記事をほぼ全て確認・書写(一部複写)することができた。これらの新聞は第二次世界大戦後半の英領西アフリカ植民地の言論状況を把握するに必須の史料である。2.については、本年2月にイギリスにおける文献調査を実施した際、ロンドン大学のD.キリングレー名誉教授と面会し、現在の研究に関してご助言を頂いた。また本年3月には、米国でのシンポジウム(下記参照)の参加時に、米国・アフリカ・中近東の研究者との間で綿密な意見交換をおこなった。3.に関しては、昨年11月にヨハネスブルクで開催された国際シンポジウムにおいて論文を発表した(当時報告者が入院中のため代読)。さらに、米国ラッガーズ大学が主催した国際ワークショップ(「アフリカと第二次世界大戦を再考する」)において研究報告を実施した。報告内容は、第二次世界大戦期における西アフリカ(ゴールドコースト)と日本の関係を双方のメディア報道から見直すものである。 上記に加えて、ハンガリーのアフリカ研究者の論考の翻訳および、-昨年来出版に向けて取り組んできた19世紀後半の黄金海岸の新聞に関する情報を網羅的に収録した英文論考が、南アフリカのアフリカ社会先端研究センターのK.K.プラー教授のお力添えもあり、昨年11月に同研究所から出版された点も挙げておきたい。
|