2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロデータロガー切り離し回収システムを用いた遡河回遊魚類の行動生態研究
Project/Area Number |
07J01317
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 佑基 The University of Tokyo, 海洋研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | チョウザメ / 揚子江 / 中国 / サケ / 大槌湾 |
Research Abstract |
2007年10月から11月にかけ、絶滅厄惧種カフチョウサメの行動調査を中国の揚子江で実施した。産卵のたあに遡上してきたチョウザメ成魚(体長2.5〜3.5m)。を捕獲し、データロガーを取り付けて放流した。データロガーは一定時間経過後、自動的に動物の体かち切り離された。水面に浮かぶ機器をVHF電波で探し出しい回収することができた。 一方、以前に得ていたカラチョウザメ幼魚の行動データを解析し、論文にまとめた。カラチョウザメの行動は、深度によって大きく異なっていた。浅い深度では常に尾鰭を動かしていたのに対し、深い深度では、上に泳ぐときのみ尾鰭を強く動かし、下へ泳ぐときたは尾鰭を停止してグライディングしていた。このような深度による行動の変化は浮力の観点から説明できる。浅い深度では、チョウザメは鰾を膨らませて中性浮力を保っていたのだろう。それに対し、深い深度では、高い水圧によって鰾が圧縮され、チョウザメの体は負の浮力をもっていたものと考えられる。また、浅い深度では、チョウザメはときどき水面まで上がってくることがわかった。チョウザメのまような古代魚は、水中で鰾にガスを注入する生理的機構をもたない。そこで彼らは、水面で口から空気を吸い込み、鰾を膨らませているものと考えられる。 また、産卵のために大槌湾に戻ってきたサケに動物装着型カメラを取り付け、彼らの行動をモニタリングした。湾内には定置網や養殖棚がたくさんあるが、サケはそれらを避け、グループで泳いでいることが画像から示唆された。
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Research Products
(7 results)