2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02085
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 裕一 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | マルチフェロイクス / らせん磁性体 / 強誘電体 / 電気磁気効果 |
Research Abstract |
誘電性と磁性を同時に有する物質群であるマルチフェロイクスは、電場による磁化の制御や磁場による誘電性の制御といった非対角項の応答である電気磁気効果が大きく発現することが期待される。このようなマルチフェロイクの発現機構の解明、巨大な電気磁気効果を示す新規物質の発見を目的に本研究を遂行してきた。 ペロブスカイト型マンガン酸化物RMnO3(R=Tb,Dyなど)は、磁場によって電気分極の方向が90度回転(電気分極のフロップ現象)するといった顕著な電気磁気効果を示すことから注目を集めてきたが、その電気分極の発現や電気磁気効果の発現機構には未解明な問題が多く存在していた。TbMnO3の電気分極はMnのスピンがらせん磁気構造のときに発現することが報告されていたが、その様な場合、電気分極の方向はらせん構造におけるスピンの巻き方(スピンヘリシティ)に依っていることが推察される。本研究では、らせん構造の巻き方を検出する手法として偏極中性子回折実験を用いて、電気分極の方向とスピンの巻き方の相関を検証した。その結果、電気分極の方向とらせん構造の巻き方が対応していることを初めて実証し、電気分極の方向を揃えるための電場によってスピンの巻き方が制御できること発見した。 磁場による電気分極のフロップ現象などの電気磁気効果の解明には、磁場中におけるMnスピンの構造を明らかにすることが必要である。そのために本研究では(Eu,Y)MnO3の磁場印加による磁化、電気分極、磁気変調波数の変化を調べた。TbMnO3とは異なり(Eu,Y)MnO3は希土類サイトが非磁性イオンのみ構成されていることから、Mnスピンの状態を観測しやすい特徴がある。その結果により電気分極のフロップがらせん構造の回転面が90度回転するために発現していることを解明した。
|
-
-
-
-
-
[Presentation] Spiral Magnetic Order in the ferroelectric phase Gd0.7 Tb0.3MnO32008
Author(s)
Y.Yamasaki Y.Tokura, K.Sasai, M.Matsuura, K.Hirota, D.Okuyama, H.Sagayama, N, Abe, T, Arima, Y.Noda
Organizer
March Meeting, American Physical Society
Place of Presentation
アメリカニューオリンズ
Year and Date
2008-03-12
-
-
-
-
-