2009 Fiscal Year Annual Research Report
脂質を標的にした新しい免疫システムの解明~皮膚免疫をモデルとして~
Project/Area Number |
07J02308
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大塚 篤司 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Th2 / 好塩基球 / 肥満細胞 |
Research Abstract |
近年、Th2免疫応答を誘導する上で重要な免疫担当細胞として好塩基球が注目されている。そこで我々は脂質抗原により誘導されるTh2タイプの皮膚遅延型反応と好塩基球、もしくはアレルギー反応のエフェクター細胞である肥満細胞、それぞれとの関係を検討することとした。 IL-4遺伝子のイントロン2に存在するイントロニックエンハンサー(I.E.)は肥満細胞特異的に、また、エクソン4下流の4Kbのわたる領域(p3')は好塩基球特異的にそれぞれIL-4遺伝子発現を制御する領域であることが報告されている。上記の細胞特異的遺伝子発現システムを用いて、ジフテリアトキシン受容体(DT-R)を挿入した肥満細胞特異的DT-R Tgマウス(MaS TRECK)および好塩基球特異的DT-R Tgマウス(BaS TRECK)を作成した。そこで我々はまず、このマウスを用いて一般的な接触皮膚炎における肥満細胞および好塩基球の役割について検討した。 BaS TRECKトランスジェニックマウスにおける接触皮膚炎反応の程度は野生型B6マウスと変わらないのに対し、MaS TRECKトランスジェニックマウスはDNFBおよびOxazoloneによって誘導される接触皮膚炎が低下していることが明らかとなった。特に接触皮膚炎の感作相において肥満細胞が重要であることをadoptive transferの系を用いて明らかとした。肥満細胞が欠損した状態では皮膚由来の樹状細胞はリンパ節への遊走能およびmaturationの低下が見られた。骨髄由来樹状細胞(BMDC)および骨髄由来肥満細胞(BMMC)を作成し、in vitroでの検討を行った。BMMC存在下でBMDCを共培養するとBMDCのmaturation、遊走能の亢進、さらには生存期間が延長することが明らかとなった。さらにこれら樹状細胞と肥満細胞の相互作用は細胞接着を介して起こっており、ICAM-1およびLFA-1刺激により肥満細胞がmembrane bound TNF αを発現することで樹状細胞を活性化することを明らかとした。
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[Journal Article] Prostaglandin I2- IP signaling promotes Thldifferentiation in a mouse model of contact hypersensitivity2010
Author(s)
Nakajima S, Honda T, Sakata D, Egawa G, Tanizaki H, Otsuka A, Moniaga CS, Watanabe T, Miyachi Y, Narumiya S, Kabashima K
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Journal Title
Peer Reviewed
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