2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J02642
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大江 宗理 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 卵減数分裂 / ユビキチン化 / リン酸化 / Erp1 / Emi2 / CPEB / PP2A / Mos-MAPK pathway / APC / C |
Research Abstract |
1、Erp1の翻訳制御機構の解析 Erp1(別名Emi2)は脊椎動物卵の減数分裂期におけるAPC/Cユビキチンリガーゼ抑制因子であり、卵減数分裂の完了に必須である。そして、これまでの申請者の研究により【Erp1がツメガエル卵母細胞のMI期には発現せず、MI/MII転移から発現し、この転移に必須の役割を果たすこと】、【その発現にはErp1 mRNAの3'UTRが重要であること】等が明らかとなった。卵減数分裂期に翻訳制御を受けるMos,CyclinなどのmRNAの3'UTRにはCPEB,Pumilio,Brunoなどの因子が結合し、これらの因子によってその翻訳が制御される。従って、Erp1に関しても何らかの因子が3'UTRを介して翻訳制御を行っていると考えられる。 今年度、私は質量分析を用いてErp1の3'UTRに結合する蛋白質の網羅的な解析を行い、結合蛋白としてCPEBを同定した。また、CPEBは3'UTR上の複数箇所のCPE配列に結合することも分かった。一方、PumilioやBrunoのErp1 3'UTRへの結合は確認できなかった。 2、Erp1のAPC/C抑制活性の制御機構の解析 Erp1の活性制御機構に関しては、これまでの申請者らの研究により【卵減数分裂特異的なMos-MAPK経路の下流キナーゼであるp90RskがErp1のSer335・Thr336をリン酸化し安定化・活性化すること】が明らかとなっている。更に最近【Ser335・Thr336依存的にPP2Aが結合し、Erp1の抑制的リン酸化を脱リン酸化することで、安定化・活性化させる】という報告がなされた。 そこで今年度、私はErp1の抑制的リン酸化の役割について解析を行った。不安定化を引き起こすリン酸化部位とされるS213,T239,T252,T267のアラニン変異体を作成し、SCF^<βTrCP>ユビキチンリガーゼとの結合を野生型と比較したところ、有意に強い結合を確認した。
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