2007 Fiscal Year Annual Research Report
第一世代星の自転磁場重力崩壊とニュートリノ・重力波の放出
Project/Area Number |
07J02762
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
諏訪 雄大 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 重力崩壊 / 第一世代星 / ニュートリノ / 重力波 |
Research Abstract |
140億年の宇宙の歴史の中で、最初に天体が生まれたのは、宇宙誕生から1億年の頃だったと考えられている。すばるなどの大型望遠鏡による最近の観測で、宇宙誕生から10億年頃の宇宙の様子がとらえられるようになってきた。そこでは、すでに銀河が誕生していることが分かっている。一方、宇宙背景放射から知ることのできる宇宙年齢40万年頃の宇宙は、温度は高いが物質は極めて一様であり、天体のような構造は存在しない。したがって、宇宙年齢40万年から1億年の時代に宇宙で最初の天体(第一世代星)が形成されたということになる。 本研究員このような第一世代星の末期の瞬間である重力崩壊についシミュレーションを用いて研究を進めている。第一世代星は現在の天体と比べて非常に質量が天きかったということが示唆されている。このことによって、第一世代星の進化は通常の星と大きく異なるということが分かっており、特に進化の最終段階である重力崩壊は、その巨大な質量により非常に激しいものとなることが予想される。しかしながら、その重力崩壊の際にどのような現象が起こるのかはあまり調べられてこなかった。特に、21世紀になって注目を浴びている重力崩壊における多次元の効果を取り入れている研究は皆無と言ってよく、第一世代星の重力崩壊はこれまで分かっていることはほとんどないと言って過言ではなかった。 以上のような状況の中で本研究員は第一世代星の重力崩壊について多次元で磁場まで含んだ計算を世界で初めて行った(論文[1])。この計算の結果として、通常の星に比べて巨大な質量をもつためにブラックホールに崩壊するのみだと考えられていた第一世代星であっても、初期に大きな磁場を持っていればジェット状の爆発を起こし、星の外に質量を放出することが可能であることが示された。これは、外部に重元素を撒き散らすことに対応し、その後の宇宙の進化史に大きく影響を与えうることを示唆している。さらに、形成されるブラックホールの質量が回転や磁場の大きさにどう影響を受けるのかを明らかにした。次に員は第一星が重力崩壊のに放出するのを計算し、個々の天体から重力波を合計した背景重力波をスペクトルを見積もった(論文[2])。その結果、第一世代星からの背景重力波は将来計画されている重力波干渉計(DECIGO,BBO)によって観測が可能であることを示した。これによって、宇宙初期の天体形成を探る天文学が重力波を用いることによって可能であることを示唆することができた。
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Research Products
(7 results)