2007 Fiscal Year Annual Research Report
多人数会話における関係構築メカニズムの研究-会話参与手続きのモデル化-
Project/Area Number |
07J03390
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坊農 真弓 Kyoto University, 情報学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 多人数会話 / 多人数インタラクション / 参与構造 / 参与手続き / 発話 / ジェスチャー / 視線 / アノテーション |
Research Abstract |
本研究の目的は,多人数会話における人間関係を実時間上で抽出する方法を発展させることであった.第1年度の計画では次の3つの研究を進めることになっていた.それらは,(1)人対人の多人数対面会話の収録,(2)第2年度焦点を当てる人対人の多人数メディア会話収録の準備,(3)関係構築メカニズム抽出のための実時間処理に対する検討(研究A)であった(応募書類参照のこと).(1)については,2007年12月19日から21日の3日間,5組の3者会話の収録を試みた.収録時間は各組で差があるが,30分から1時間という比較的に長い課題遂行会話(研究室の座席配置について話し合う課題)を合計4時間程度収録した.収録にはモーションキャプチャシステム,音声同期収録システム,アイマークレコーダー,多視点画像収録システムを用いた.(2)については,多人数メディア会話をテレビ電話会話に定め,先行研究で得られた知見と本研究の第1年度の成果から,応用研究の着想を始めた.(3)については,(1)で収録したデータをコンピュータ上で解析するためのソフトウェア(iCorpusStudio)を研究室の学生(M2)と共同に開発し,収録されたデータにおける関係構築メカニズムの動的構造を可視的に判断可能な環境の構築を行った.また研究発表には至っていないが,研究室の学生(B4)にジェスチャーや視線のアノテーション方法を教え,iCorpusStudio上で作業した.その結果から多人数対面会話におけるリーダー的ふるまいや発話権を頻繁に所持する参与者のふるまいの傾向が計算機上で観察できることが確認された.以上の結果から,本研究の第1年度の課題はすべて達成されたといえる. 社会活動として,2007年9月から人工知能学会誌で連載チュートリアル「多人数インタラクションの分析手法」を共同企画した.また,2007年10月から2008年3月にかけ,カリフォルニア大学ロサンゼルス校のチャールズ・グッドウィン教授のラボに参加し,研究の第一線で議論を深めてきた.
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Research Products
(13 results)