2007 Fiscal Year Annual Research Report
プライミング効果に対応したMEG応答を用いた多義的仮現運動における知覚交代の予測
Project/Area Number |
07J03670
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下野 昌宣 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2) (30552137)
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Keywords | 予測 / 知覚交代 / 意図 |
Research Abstract |
1.多義的仮現運動の知覚交代を予測するオフライン-試行解析の研究 脳磁図に計測される脳信号のみから、刺激提示の前に、70%を越える精度で知覚交代の予測を可能としました。これには、機械学習の手法を用いています。そして、トレーニングデータ内でのCross Validationを用いて時空間情報における特徴抽出を行う事、そして、抽出された情報からBays推定を用いて統合する事らの工夫を通じて、達成されたものです。 この成果は、脳磁図を用いて、知覚状態を事前に予測できる事を示したはじめての例であり、非侵襲的脳機能計測信号から交通事故の危険予測を行うためなどの基礎となる技術であると考えられます。 2.多義的仮現運動の知覚交代を生む原因の1つである被験者の"意図"に関する統計餌析の研究 多義的仮現迎動の知覚交代を100%近い精度で、被験筆の意図的によりコントロール可能であるという新規な認知現象を見出しました。そして、誘発磁場の統計解析を通じて、その脳内処理プロセスを解明しました。 知覚交代現象は、これまで、確率論的なモデルを通じて観察され、解釈されてきましたが、その解釈法に(決定論的なルールの必要性を要求するという)一石を投じる研究であると思われます。また、知覚交代現象における脳内での情報処理過程の一端が解明された事で、1.の目的での解析結果との比較検討から、互いの信頼性の保障などが訂能となりました。 3.ニューロフィードバックシステムの開発 知覚交替のオフライン解析では、高成績での予測が可能となりましたが、そのオンライン化を進めるべく、ATR(国際電気通信基礎技術研究所)との共同研究を通じて、ニューロフィードバックシステムの開発に成功いたしました。今後、これを用いた研究を進展させて参ります。
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