2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規機能性生物発光プローブの創製とこれを用いたin vivo病態イメージング
Project/Area Number |
07J03749
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高倉 栄男 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 生物発光 / in vivoイメージング / 活性酸素種 / 細胞膜 / avidin-biotin |
Research Abstract |
活性酸素検出生物発光プローブAPLをin vivo病態イメージングへ応用するための基礎実験を昨年度から継続して行っている。本年度は動物個体に病態を引き起こし、イメージングできるかの検討を行った。病態モデルとしてはマウスの背中においてLPSとTNF-αにより引き起こされる急性血管炎症モデルと、マウス腹腔において好中球を誘導し活性化させる急性腹膜炎モデルの2つについて検討している。また、新たな生物発光プローブの創製にも取り掛かった。従来の発光基質は細胞膜を透過する構造であるが、細胞膜透過性を制御した基質の開発を行った。細胞膜非透過性にすることで基質を細胞外へのみに局在させ、細胞外へ分泌される分子の検出に応用できると考えた。例えば、近年重要な生理活性物質として注目を集めているATP放出の検出や、分泌タンパク質の検出など様々な分子の検出が考えられ、現在アッセイ系の立ち上げを検討している。更に、別の生物発光プローブの開発を行った。生物発光の発光は発光酵素luciferaseにより触媒されているが、酵素反応であることに変わりない。そこで、酵素と基質のaccessibilityをコントロールできれば発光活性も制御できると考えた。分子設計としては、avidinとbiotinのタンパクー小分子間の特異的かつ高い結合力を利用することとした。すなわち、発光基質とbiotinのコンジュゲート体は発光活性を有するが、avidin存在下においてはavidin-biotinが結合するためluciferaseが接近できず発光活性を喪失すると考えた。実際に上記の基質を合成してみると、設計通りの結果を得た。そこで、基質とbiotinの間にプロテアーゼ切断部位を組み込んだプロテアーゼプローブの開発を行っているところである。
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