2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03786
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小森 英之 Tokyo Medical and Dental University, 疾患遺伝子実験センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 細胞周期 |
Research Abstract |
細胞には、癌化を引き起こす異常な癌遺伝子の活性化を感知してアポトーシスを誘導する機能が備わっている。この機構は、癌化を防ぐ上できわめて重要な働きを担っている。しかし、この機構の詳細は、明らかになっていない。申請者は、アポトーシスに関わる癌抑制遺伝子p14^<ARF>がE2Fにより細胞周期に依存しない新たな制御を受け、pRbの機能不全に伴う異常な増殖刺激を正常な増殖刺激から区別して癌化の抑制を行うメカニズムの解明を目指している。申請者は、E2Fによるp14^<ARF>遺伝子の発現制御機構を詳細に解析した。また、その発現制御機構が、アポトーシスの誘導に関与しているかを調べた。その結果、以下の点について明らかにした。(1)E2F1のN末端は、p14^<ARF>プロモーターを活性化するために必要である。(2)E2Fは、そのパートナーであるDPファミリー蛋白とヘテロダイマーを形成し、典型的なE2F結合配列を持つ標的遺伝子のプロモーターに結合する。しかし、E2Fがp14^<ARF>プロモーターへ結合する時には、DPファミリー蛋白を必要としない。(3)DPファミリー蛋白は、E2Fが誘導するp53蛋白の蓄積とアポトーシスには、必要ない。 これらの結果は、E2Fによる新たな転写制御機構がアポトーシスの誘導において重要な役割を果たしていることを示唆している。更なる詳細の解析は、細胞が癌化を引き起こす異常な癌遺伝子の活性化を感知してアポトーシスを誘導する機構を明らかにすると期待できる。
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