2009 Fiscal Year Annual Research Report
物語理解における他者の感情推測の神経基盤:fMRIを用いた検討
Project/Area Number |
07J04186
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
米田 英嗣 National Institute for Physiological Sciences, 大脳皮質機能研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 物語理解 / 感情 / fMRI |
Research Abstract |
主人公の感情を含んだ状況モデルの更新は、心の理論を支える神経基盤によってなされるという仮説を確かめるためにfMRIを用いて検討を行った。23人の健常被験者が、3種類の異なった感情価を持つ状況説明文章と、先行する文章と一貫した同一のターゲット文から構成される文章を読んだ。つまり、ターゲット文を読むことによって状況モデルの更新を促す課題を用いた。ターゲット文に関連した脳活動は、心の理論に関連するネットワークの一部である背内側前頭前野と側頭極に加え、感情の評価に関連する外側前頭眼窩皮質において、ネガティブな感情価を持った状況の文脈を与えた場合に相関した。したがって、状況モデルの感情の次元は、感情評価の神経基盤と心の理論に関連するネットワークによって表象されていることが明らかになった。 他者の運動を観察している際に、自分は運動していないにも関わらず、自身の運動関連の神経活動が起こる(Rizzolatti,2005)。そこで、主人公の活動性を操作した物語を読むことによって、読者の運動表象が活動するという仮説を確かめるためにfMRIを用いて検討を行った。23人の健常被験者が、異なった活動性を持つ状況説明文章と、活動性が高いターゲット文から構成される文章を読んだ。読者が主人公の活動性が増加したかどうかを判断している際の脳活動を計測した。活動性の増加判断に関連した脳活動は、補足運動野、運動前野といった運動関連領域であり、仮説は支持された。加えて、ポジティブな感情価を持つ文章の活動性判断をする際に、共感や快感情と関連する内側前頭眼窩皮質に活動が見られた。物語理解において主人公の活動性を表象する際には、自身の運動表象に基づいていることがわかった。
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[Journal Article] Dynamic cultural influences on neural representations of the self.2010
Author(s)
Chiao, J.Y., Harada, T., Komeda, H., Li, Z., Mano, Y., Saito, D.N., Parrish, T.B., Sadato, N., Iidaka, T.
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Journal Title
Journal of Cognitive Neuroscience 22
Pages: 1-11
Peer Reviewed
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[Journal Article] Neural basis of individualistic and collectivistic views of self.2009
Author(s)
Chiao, J.Y., Harada, T., Komeda, H., Li, Z., Mano, Y., Saito, D.N., Parrish, T.B., Sadato, N., Iidalca, T..
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Journal Title
Human Brain Mapping 30
Pages: 2813-2820
Peer Reviewed
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