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2007 Fiscal Year Annual Research Report

赤痢菌が三型分泌装置を介して宿主細胞に分泌するエフェクター蛋白質OspEの機能解析

Research Project

Project/Area Number 07J04560
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

藤田 幸裕  The University of Tokyo, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)

Keywords細菌感染 / 赤痢菌 / 細胞接着
Research Abstract

本研究は赤痢菌の感染メカニズムを解明するため、赤痢菌が宿主細胞へ注入するエフェクター蛋白質の一つであるOspEの機能解明を目指した。本研究により、OspEは赤痢菌より宿主細胞へ注入された後、細胞接着斑へ移行し、細胞接着斑の成熟に伴う細胞接着の増強を誘導することが明らかとなった。
GST-pulldown assayにより結合蛋白質を検出し質量分析により結合蛋白質の同定を行ったところ、OspEは宿主細胞蛋白質であるIntegrin linked kinase(ILK)と結合することが明らかとなった。ILK欠損繊維芽細胞においてOspEの細胞接着斑への移行、細胞接着の増強能が阻害されたことから、OspEの機能にはILKが必須であることが明らかとなった。また、ILKのキナーゼ活性欠損体を発現させた細胞においてOspEの機能が減弱したことから、OspEはILKのキナーゼ活性依存的に宿主細胞の細胞接着を増強させていることが判明した。また、私はOspEはILKを介して細胞接着斑の増強に伴い細胞接着分子Integrinのターンオーバーを抑制することで、細胞接着の増強に寄与していることを明らかにした。さらに、OspE欠損赤痢菌を作成し、動物下痢モデルとしてモルモットを用いて感染実験を行ったところ、OspE欠損赤痢菌は病原性が著しく低下し、下痢の誘導が見られなかったことから、OspE-ILKによる細胞接着増強能は赤痢菌の効率的な感染を果たすのに重要な役割を担っていることが明らかとなった。これらの結果は、赤痢菌の新たな感染局面をい提示したのみでなく、宿主細胞蛋白質であるILKの新たな機能を示唆するものであった。今後、OspE-ILK相互作用のより詳細なメカニズムを明らかにすることで、赤痢菌の感染戦略の全貌を明らかにIIすることができると考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2007

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] A bacterial effector targets Mad212, an APC inhibitor, to modulate host cell cycle2007

    • Author(s)
      Hiroki Iwai
    • Journal Title

      Cell 130

      Pages: 611-623

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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