2007 Fiscal Year Annual Research Report
子育て支援システムの変動とその妥当性-生活空間の視点から
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07J05245
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 美琴 (久木元 美琴) The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 保育サービス / 延長保育 / 企業内保育所 / 学童保育 / 地域の子育て支援 / 地理学 / 石川県七尾市 |
Research Abstract |
まず、都心・大企業の企業所内保育所が供給・利用される地域的背景を比較するために、地方都市における従来型の企業内保育所の利馬状況について、石川県七尾市と鹿児鵬市でフィールドワークを行った。七尾市では温泉旅館における企業内保育所の供給と利胴の実態についてのインタビュー調査とアンケート調査を、鹿児島市では百貨店における企業内保育所で、供給の背景や利用実態についてインタビュー調査を行った。 これにより、都心・大企業の企業内保育所との比較という点で、以下の知見が確認された。第一に、従来型の企業内保育所(サービス・販売業)は労働力確保の目的で導入されており、企業イメージの向上を企図した都心・大企業の企業内保育所の導入の経緯とは異なっている。第二に、地方都市では自家用車通勤や職場に近い社宅・寮の設置による職住の近接性から、子連れ通勤の負担はさほど問題とされていない。 一方で、観光業を基盤産業とする七尾市では、企業内保育所のみにとどまらず、地域ぐるみの延長保育サービスも実施されてきたことが明らかになった。企業内保育所はそこに勤める社員しか利用することができないが、七羅市では、地域の認可保育所・認可外保育所において1970年代から80年代という早い段階で深夜の延長保育サービスが開始されていた。これらの保育所で利用者へのアンケート調査を実施したところ、旅館業・サービス業に就く利用者が一定の割合で深夜の延長サービスを利用していることが明らかになった。 また、次年度への予備的調査として、学童保育についての総観的な把握を試みた。学童保育は近年特に需要が急増しているが、自治体によって供給体制やサービス内容の違いが大きく、定量的な分析を行う前に調査項目を精査する必要があったためである、さらに、地方都市の自治体・商店街による子育て支援について長野県佐久市の取り組みの実態を整理概観した。
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Research Products
(2 results)