2008 Fiscal Year Annual Research Report
構造機能維持及び超早期復旧を可能にするPCaPC耐震構造システムの研究
Project/Area Number |
07J06045
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市岡 有香子 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | PCaPC構造 / 自己復元性 / エネルギー消費 / 混合より線 / 波形鋼板 / FEM解析 / 部材端回転バネ / 付着特性 |
Research Abstract |
地震後の超早期復旧が可能な構造物を安価に提供できる構造形式の確立を目的とし,部材の損傷および残留変形を抑制できる圧着型プレキャスト(以下PCaと略記)プレストレスト(以下PCと略記)構造に波形鋼板ダンパーまたは混合より線を組み合わせて,復元性とエネルギー消費性能を両立した構法の開発・研究を行った。 20年度は,実験的研究として,混合より線を用いたブレース型ダンパーについて静的繰り返し載荷実験を行った。19年度に開発した19本より混合より線を架構内にX型ブレースとして配置した場合,端部回転を拘束して低荷重時によりがほどけるのを防止すれば,より線は張力が正の状態で復元力を維持したまま,安定した履歴ループを描いて十分なエネルギー消費を行うことを確認した。 また解析的研究として,19年度に提案したPC鋼材の付着すべりモデルを更に修正することで,圧着型PCaPC部材の地震時挙動を非常に精度良く予測可能なFEMモデルを構築し,繰り返し載荷時における付着応力分布の推移を明らかにした。次いでPCaPC部材圧着面におけるPC鋼材の抜け出し量とひずみ増分の関係に着目し,付着応力分布の推移を反映した部材端回転バネM-θモデルを,骨組解析に組み込める形で提案した。これを用いて,19年度までに実験的に実用可能性を確認した2種の構造形式(波型鋼板ダンパーを用いたPCaPC構造,および混合より線を緊張材としたPCaPC構造)について,復元性の維持に必要なPC鋼材最低量を簡便に見積もる算定式を導出し,設計時に適切なダンパー量を決定する手法を提案した。
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Research Products
(7 results)