2008 Fiscal Year Annual Research Report
「すざく」衛星硬X線検出器を用いた、超新星SN1987Aからのパルサー探索
Project/Area Number |
07J07092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎戸 輝揚 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マグネター / 軟ガンマ線リピーター / 異常X線パルサー / 硬X線放射 / 中性子星 / SN1987A / 超新星爆発 / X線天文衛星「すざく」 |
Research Abstract |
SN1987Aの中心には、カミオカンデが検出した超新星ニユートリノから予測されるような、パルサー(中性子星)は依然として発見されていない。昨今、これはSN1987Aの中心にはCompact Central Object(パルス検出の難しい、黒体放射成分がX線帯域で観測される中性子星)ができたのではないかとも言われており様々な種類の中性子星を調べることが重要になってきたといえる。中性子星にも、通常の電波パルサー、質量降着型パルサーの他にも、極めて磁場の強いマグネターと呼ばれる一群の天体(激しいバースト活動を生じる軟ガンマ線リピーターと特徴的な定常放射を示す異常X線パルサーの2種類)が知られるようになってきた。このマグネクーは、その黒体放射の特徴がCCOに似ているという指摘もあり、重要な天体となっている。我々はこのマグネターのうち、典型的な天体であるAXP 4U 0142+61の観測結果を解析し、広帯域スペクトルの特徴や、短時間での硬X線放射の時間変動の可能性について論文投稿中である。加えて、10年ぶりに発見された軟ガンマ線リピーターであるSGR 0501+4516をX線天文衛星「すざく」で40ks観測し、軟X線放射スペクトルや短時間バーストスペクトルについてAstrophysical Journal Letterなどに結果を発表し受理された。この天体は70ksまだ詳細なスペクトルを取得することができ、その特徴からマグネターの中でも軟ガンマ線リピーターと異常X線パルサーの中間に位置する天体であることがわかってきた重要な結果である。加えて、2009年1月には1E 1547.0-5408というマグネクーがアウトバースト活動を開始し、このToO観測結果について解析を進行中である。
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