2007 Fiscal Year Annual Research Report
部位特異的変異導入によるサーモライシンの機能改変とペプチド合成への応用
Project/Area Number |
07J07098
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
草野 正雪 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 酵素 / タンパク質工学 / 金属プロテアーゼ / サーモライシン / 部位特異的変異導入 / 菌体外生産 / 共発現 / アスパルテーム |
Research Abstract |
従来の組換えサーモライシン生産法では,自己触媒的な切断の活性が低下あるいは消失した活性部位の変異型酵素は生産されない.よって,N末端にpelBリーダー配列を含むTLNの成熟型配列とサーモライシンのプレプロ配列をnpr遺伝子のプロモーター配列の支配下に共発現させることにより,自己触媒的な切断を必要としない新規の組換えサーモライシン生産法を構築した.新規の方法では,従来の方法では生産されなかった活性部位の変異型酵素が生産された. サーモライシンの活性部位は5つの領域(N-terminal loop(Asn112-Trp115),α-helix 1(Val139-Thr149),C-terminal loop 1(Asp150-GlY162),α-helix 2(Ala163-Val176),C-terminalloop 2(Gln225-Ser234))からなる.亜鉛結合のコンセンサス配列(H^<142>EXXH^<146>)を含むα-helix 1を除くTLNの活性部位の4つの領域から12アミノ酸残基を選び,Ala,Asp,Glu,His,Lys,Argに置換し,上記の新規の方法で70種の変異型酵素を生産した. 多くのN-terminal loopとα-helix 2の変異型酵素がカゼイン加水分解活性とN-[3-(2-furyl)acryloyl]-Gly-L-Leu amide(FAGLA)加水分解活性を消失したことから,これらの領域は活性に重要であることがわかった.多くのC-terminal loop 1とC-terminal loop 2の変異型酵素がカゼイン加水分解活性を有したが,FAGLA加水分解活性を消失したことから,これらの領域は基質特異性に重要であることがわかった.そして,活性が向上した2種の変異型酵素,熱安定性が向上した7種の変異型酵素,活性のpH依存性が変化した2種の変異型酵素を取得した.
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