2007 Fiscal Year Annual Research Report
多目的遺伝的アルゴリズムによる自然通風・省エネ・室内環境の最適化
Project/Area Number |
07J09917
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋山 恭助 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1) (10533664)
|
Keywords | 最適化 / 応答係数 / CFD / 換気 |
Research Abstract |
1、多目的最適化問題に対する多目的遺伝的アルゴリズムを用いた解析アプローチの確立 多目的最適化問題に対する一つのアプローチとして、パレート最適解集合の構造分析を行い、いかに設計支援としての情報を抽出できるかの検討を行った。 多目的遺伝的アルゴリズムを用いることにより、離散空間である実際の設計問題でも、有効にパレート最適解集合を得ることができた。得られたパレート最適解集合は、多変量解析の手法を用いることで、目的関数同士のトレードオフ関係など、工学的検討では把握できない知見を抽出することができた。パレート最適解集合を求めることは、最適設計を行う(劣等解としない)ために有効なだけでなく、さらに意思決定のための支援情報を得るためにも有効であることが示された。 2、換気性状を解析するための実用的な計算プログラムの開発 空間の3次元空間分を考慮する必要がある解析には、換気回路網解析といったマクロモデルの適応性が低く、3次元CFD解析を用いたミクロな解析が必要となる。しかしながら、マクロモデルと比較し、計算コストは非常に高く、建物内環境の年間性能評価や設計における最適解探索プロセス等の多数ケースの計算が必要とされる検討において、計算コストの大きな3次元CFD解析をそのまま用いることは現実的ではない。そこで、代表空間における小数回の3次元CFD解析を行い、そこで得られた結果を応答係数という形でマクロモデルに組み込む手法を開発し、3次元空間分布を考慮しつつも、マクロモデルと同様の低い計算コストで解析が可能な計算アルゴリズムを開発した。 本開発モデルと3次元CFD解析の計算結果の定量的な比較を行い、結果、本開発モデルは、数回のワークステーションによる準備計算のみによって、PCレベルのCPUによっても非常に短い計算時間で、3次元CFD解析とほぼ同精度の解が算出可能であることを示した。
|
Research Products
(4 results)