2008 Fiscal Year Annual Research Report
エチレン生合成を司るACC合成酵素のリン酸化による制御機構に関する研究
Project/Area Number |
07J10368
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上吉原 裕亮 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | エチレン / ACC合成酵素 / 翻訳後制御 / リン酸化 / 果実成熟 / プロテインホスファターゼ |
Research Abstract |
植物ホルモンの一つであるエチレンは、高等植物の一生を通し、生長・分化の調節および外的刺激に対する防御応答において重要な役割を果たしている。また、エチレンは果実の成熟や花卉・疏菜の老化を促進する作用を持つため、本研究内容は実用面においても極めて重要な課題である。 申請者は、エチレン生合成の律速酵素であるACC合成酵素のリン酸化・脱リン酸化による代謝回転制御に着目し、植物におけるエチレン生合成調節機構の解明を試みている。ACC合成酵素は翻訳後にリン酸化され安定型となり、脱リン酸化によって不安定型となり分解へと導かれる。昨年度、申請者は、ACC合成酵素が翻訳後直ちにリン酸化されることを明らかにした。このことはACC合成酵素の代謝回転制御の律速段階が脱リン酸化段階であることを意味している。そこで当該年度は、ACC合成酵素の脱リン酸化を担うプロテインホスファターゼ(PPase)の同定を試みた。シロイヌナズナ変異体rcnlを用いて解析した結果、PPaseのうち、PP2Aがその役割を担っていることが予測された。PP2AはA,BおよびCサブユニットからなる三量体で、Bサブユニットが基質特異性を決定している。現在はACC合成酵素の認識に関わるBサブユニットの同定を試みている。 ACC合成酵素のリン酸化による翻訳後制御機構を解明し、エチレン生合成調節機構の全体像を明らかにすることにより、果実、花卉および蔬菜の貯蔵法を改良していくことが可能であると考えられる。
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Research Products
(1 results)