2007 Fiscal Year Annual Research Report
バイオエアロゾルの対流圏広域拡散:気球搭載蛍光粒子カウンターの開発と観測への応用
Project/Area Number |
07J11919
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
山田 丸 Prefectural University of Kumamoto, 環境共生学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | バイオエアロゾル / 気球観測 / 黄砂 / 蛍光粒子 / パーティクルカウンター / エアロゾル / 大気環境 |
Research Abstract |
本研究の目的は、光散乱式粒子カウンターの光源に紫外波長の光源を用いることで、蛍光を発する粒子(特に、バイオエアロゾル)の個数濃度を計測するシステム(蛍光粒子カウンター)を開発することである。開発の第一段階として、光散乱式パーティクルカウンターの光源(780nm)をより短波長の光源に交換し、標準粒子(PSL粒子、蛍光PSL粒子)を使用し、室内において計測テストを行った。励起光源には、(1)緑色レーザ(YAG,532nm)、(2)紫外LED(365nm)、(3)紫外レーザ(半導体,375nm)を用いてテストを行った。蛍光は、光学フィルターにより特定の波長を検出する。 室内テストの結果は以下のとおりであり、それぞれ上記の番号の光源に対応する。 (1)3μmの標準蛍光粒子を用いたところ、蛍光を検出できたが、信号は微弱であった。 (2)このため、励起エネルギーの高い紫外LED(365nm,5mW))を組み込み、室内実験を行った。しかし、LED光源の指向性および出力の問題のため、粒子からの蛍光が非常に微弱であり、検出器でシグナルを検知できなかった。 (3)紫外域半導体レーザ(375nm,20mW)を光源として、PSL粒子(1μm,2μm,3μm,5μm)、蛍光PSL粒子(3μm)を使用したテストを行い、蛍光粒子の計測に成功した。PSL粒子散乱光は、赤・黄の両フィルターで十分カットでき、黄色フィルターを装着することで蛍光PSL粒子からの蛍光信号のみを検出できた。紫外レーザ取り付けにより、蛍光粒子だけを分離して測定が可能であることを確認した。 さらに、実際の大気環境中に常在している枯草菌(Bacillus subtilis)、酵母(Saccharomyces cerevisiae)、大腸菌(Escherichia coli, K-12 F+ 繊毛有;W3110 F-, 繊毛無)を継代培養し、これらをエアロゾルとして発生させ、蛍光カウンターを用いた計測テストを試みている。今後は、大気エアロゾルの主要構成粒子である硫酸塩、代表的な鉱物種、海塩粒子を用い、バイオエアロゾルと無機エアロゾルの分類試験を行う。 一方で、開発装置を野外で使用する際の観測候補地の視察(熊本県、石川県、中国敦煌市)および気球を用いた高高度でのバイオエアロゾルサンプリングを行い、蛍光粒子カウンターを用いた野外観測に備えた。
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[Journal Article] Ecophysiological analysis of halobacteria in bioaerosol2008
Author(s)
Maki, T., Susuki, S., Kobayashi, F., Kakikawa, M., Yamada, M., その他6名
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Journal Title
Journal of Ecotechnology Research 13
Pages: 209-313
Peer Reviewed
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