1996 Fiscal Year Annual Research Report
環東シナ海(東海)農耕文化の民俗学的研究-中国浙江省温州・麗水地区の民俗調査-
Project/Area Number |
08041012
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福田 アジオ 新潟大学, 人文学部, 教授 (60120862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 勤建 華東師範大学, 中文系, 教授
陳 徳来 浙江省民間文芸家協会, 主席
曹 啓文 浙江省民間文芸家協会, 副秘書長
劉 曄原 北京広播学院, 電視文学系, 副教授
劉 鉄梁 北京師範大学, 中文系, 教授
白 旭旻 中国民間文芸家協会, 編輯
林 相泰 中国民間文芸家協会, 副秘書長
橋谷 英子 新潟大学, 人文学部, 教授 (80189513)
矢放 昭文 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (20140973)
渡辺 欣雄 東京都立大学, 人文学部, 教授 (90103209)
菅 豊 北海道大学, 文学部, 助教授 (90235846)
小林 忠雄 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 助教授 (00215336)
比嘉 政夫 国立歴史民俗博物館, 民俗研究部, 教授 (10045198)
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Keywords | 農耕文化 / 稲作 / 家畜飼育 / 宗族 / 房 / 自然村 / 廟 / 風水 |
Research Abstract |
本研究は3年間の研究計画として承認されており、本年度はその初年度にあたるので、基本的には2年度目に予定している本格的な調査のための予備調査としての性格をもつものであった。したがって、調査は研究対象とした中国浙江省温州地区および麗水地区について広域的に調査を行った。すなわち、温州市、永嘉県、麗水市、景寧〓族自治県での8か村落を対象とした。各調査村落での滞在は短いものになったが、それぞれの村落で内容ある民俗調査を実施することができた。 各研究分担者は、それらの村落において自己の分担事項について主として聞き書きによる調査を行った。それらを通して、この地方の流動的な村落、宗族がなお意味を持つ親族、農業と密接に関連する家畜飼育、風水とそれに基づく生活規範、多様な農耕関連の神々の信仰など重要な研究課題となりうる内容を把握することができた。それらをさらに詳細に明らかにすることが次年度以降の課題となった。 また調査対象地域は改革開放の波を大きく被る地域であり、近年の急激な変貌を確認することともなった。急激な人口流出で、過疎化が進み、老人のみが残っている村落さえ出現しており、民俗の伝承という点で不安があり、早急な調査の必要性を痛感した。 本研究は研究分担者全員が原則として同一行動をとり、同一村落を調査研究することに特色がある。本年度も日中の研究者が調査期間中行動を共にすることで毎日調査内容について議論し、検討を重ねた。そのことを通して本研究の一つの目的である日中の民俗学研究者の相互理解にも大きく貢献した。これは2年度目以降の調査に大きな成果をもたらすものと思われる。
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