Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
エイ オチル モンゴル科学アカデミー歴史研究所, 所長
サンダクスレン バダムハ モンゴル科学アカデミー歴史研究所, 主任研究員
ダムディン ダグクドルジ モンゴル科学アカデミー気象学研究所, 主任研究員
ゴンボ ツェレンジャブ モンゴル科学アカデミー水利研究所, 主任研究員
山根 周 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助手 (40285242)
棚瀬 慈郎 滋賀県立大学, 人間文化学部, 講師 (10222118)
面矢 慎介 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教授 (80275180)
浜崎 一志 滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教授 (00135534)
今岡 良子 大阪外国語大学, 講師 (50273735)
越智 猛夫 東北福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10089203)
トゥムル ナムジム 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (20275176)
高谷 好一 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (90027582)
小貫 雅男 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (10030123)
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Research Abstract |
本研究の目的は,モンゴル遊牧社会の変容を確認し,この多文明共存の時代に遊牧社会が生き残りうるのか否か,生き残るとすればどのような形で生き残るのを考究することにある。平成8年度は,以下のような調査を実施し,多様な成果をあげることができた。 ウランバートル,フブスグル地域の調査 ウランバートルでは,高層アパート居住,郊外の避暑地,市街地の中のゲルについて,住様式および生活空間の実態を調査した。同時に,人々の生活時間や,首都ウランバートルと地方との関係,人びとのふるさと意識も調査した。また,フプスグル湖畔のゲルの住様式および生活時間と生活空間の実態を調査した。ゲルの構造や道具・調度品などを実測し,季節によるゲルの移動,家畜の種類と数などの聞取り調査を実施した。同様の調査を中央部のアマルバヤスガラン寺院近く,古都カルコルム近くなども実施した。 ゴビ・遊牧地域の調査 大砂漠の中に横わたるゴビ・アルタイ山脈の山中にあるツェルゲル村で,(1)各冬営地拠点の実測とGPSによる位置確定,(2)家畜群の数的変化と構造的変化,(3)四季の遊牧循環,(4)家畜経営の実態,(5)遊牧共同体ホタ=アイルの実態,(6)市場経済への急激な移行と地域の変化,(7)上位共同体の可能性,(8)伝統的手工業と地域,(9)教育・文化・医療などの協同的機能と地域形成の問題などを重点的に調査した。放牧の収容力の限界との関連で新たな地域秩序の形成がみられ,こうした現象にも着眼して,「ボクド郡モデル地域構想」の作成の準備をした。 乳文化と乳加工技術の調査 乳酒の伝統的な蒸留方法を,実験室での試作と比較検討した。 冬期における調査 ウランバートルにおいて冬季の生活調査を実施した。また,遊牧民の宗教活動についても調査した。ガンダン寺において聞取り調査を実施し,ソ連に持ち去られた,巨大な観音像が再建されるなど,仏教がナショナリズムと組あわさる形復活する様子を観察した。
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