1996 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおけるシャーマニズム文化の構造と変容に関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
08041027
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 宏幹 駒沢大学, 文学部, 教授 (30052426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黄 智慧 中央研究院, 民族学研究所, 助手
色 音 中国社会科学院, 民族研究所, 助教授
呉 盛枝 広西民族学院, 民族語言文学部, 助教授
葉 大兵 温州民族文化研究所, 所長
手塚 恵子 大阪大学, 文学部, 助手 (60263183)
浮葉 正親 名古屋大学, 留学生センター, 助教授 (40252291)
佐々木 伸一 大阪明浄女子短期大学, 助教授 (30175377)
小松 和彦 大阪大学, 文学部, 教授 (90111781)
渡邊 欣雄 東京都立大学, 人文学部, 教授 (90103209)
崔 吉城 広島大学, 総合科学部, 教授 (80236794)
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Keywords | 東アジア / シャーマニズム / 童〓 / 巫堂 / 儀礼 / 変化 / 風水 / 他界観 |
Research Abstract |
本研究の研究分担者は中華人民共和国沿岸部、台湾省、大韓民国において、以下のような調査を実施した。 崔は中国東北部在住の朝鮮族の巫堂について調査した。渡辺と葉および何は温州において調査を行ない、渡辺と何はシャーマニズム(巫術)との関連において宗教・風水・建築・墳墓などに関する資料を蒐集し、葉は童〓(シャーマン)が憑霊状態で作成し、主に病気治しに用いられる各種の符を蒐集し、そのヴァリェーションを追求した。 小松と浮葉は韓国の主に光州および珍道において法師と巫堂の調査を行ない、そのライフ・ヒストリーと儀礼、さらにクッ堂について資料を得た。佐々木(伸)は台湾の台北・高雄・澎湖島馬公・台南において、扶鸞、童〓、通霊者に関する調査を行なった。 手塚は中国広西壮族自治区、武鳴県、賓陽県、上林県、南寧市、邑寧県において邪気払い儀礼、葬儀、算命などについて調査した。 佐々木(宏)と佐藤は台湾の台南と高雄において童〓、三姑、法師が直接関与する問神、破地獄、改運などの儀礼に関して調査した。10月15日から17日まで分担者は大阪に集合し、各自の調査結果を中間報告として発表するとともに、今後の調査方法や問題点について検討した。 平成8年度の調査結果を総括すると以下のようになる。 (1)東アジア各地におけるシャーマニズムの現状について重要局面と問題点が明らかになった。(2)戦前・戦中の先行研究と比較してシャーマニズム文化の変化が著しいことが明らかになった。(3)中国本土の童〓および類似職能者の調査は、諸般の事情により困難に出会ったが、シャーマニスティックな観念や儀礼に関する生きた資料を入手できた。(4)総じてシャーマニズムは各地民衆により根強く支えられ、また必要視されていることが明らかになった。
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