1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041044
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
中村 則弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (10192676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 安き 上海社会科学院, 社会学研究所, 副研究員
趙 喜順 四川社会科学院, 社会学研究所, 研究員
戴 建中 北京市社会科学院, 社会学研究所, 副研究員
張 厚義 中国社会科学院, 社会学研究所, 研究員
安原 茂 成蹊大学, 法学部, 教授 (70054286)
富田 和広 広島女子大学, 国際文化学部, 専任講師 (50285417)
根橋 正一 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (50164661)
陳 立行 日本社会福祉大学, 情報社会学部, 助教授 (60278314)
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Keywords | 私的経営者 / グローバル / 政治権力 / ネットワーク / 地域社会 / 家族・親族 / 階級・階層 / 文化 |
Research Abstract |
本年度は、問題意識、方法論、調査方法かかわる検討を行うとともに、現地でのプレテストおよび現地での聞き取り調査(予備調査)を実施した。主要な内容と成果は以下の通りである。 1.8月に中国側分担者を招聘し、研究打ち合わせ会を開催し、問題設定、分析枠組、調査方法とデータ処理方法の相互検討を行った。問題設定と分析枠組みについて、グローバルな視点に加え、文化とのかかわり、社会主義社会の制度的変化方を全体的な分析枠組みの基礎におくとすることが相互検討を通じて合意された。 2.8月末から9月旬にかけ日本側研究者が中国を訪問し、現地打ち合わせ会、予備作業的聞き取りおよび調査事項の確認作業を行った。これら一連の作業から、1)私営企業の急速な発展は、国営企業や政治権力との関わりを重要な背景としており、一部は世界システムとも直接関わりはじめていること、2)地域性や企業家の属性などから私的経営者の活動状況には、かなりの相違がみられること、3)出資者の構成に家族・親族・地域社会との関わりが明確にみられることが確認できた。 3.10末月に中国側分担者を招聘し、先の日本側中国訪問の成果の検討を主要課題とした研究打ち合わせ会を開催した。具体的には、研究方法の再検討、調査地点・調査項目の確認作業が行われた。前者では歴史的な商人層などの位置づけ、および伝統倫理との関連での私的経営者の価値意識の位置づけの必要性が確認され、後者では、内陸地帯から沿海地帯、大都市・中小都市・農村という地域特性を踏まえた調査地点の再選定が合意された。 4.3月中国で現地でのプレテストおよび現地での聞き取り調査(予備調査)を実施した。プレテストでは、中国の現状から、質問票の項目を精選しなければならないことが明らかとなった。聞き取り調査からは、これまで検討したきた問題設定や分析枠組が、私的経営者層を分析する上で適切であったことが確認された。
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