1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041044
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中村 則弘 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10192676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 厚義 中国社会科学院, 社会学研究所, 研究員
安原 茂 愛知大学, 文学部, 教授 (70054286)
根橋 正一 流通経済大学, 社会学部, 助教授 (50164661)
富田 和広 広島女子大学, 国際文化学部, 専任講師 (50285417)
陳 立行 日本福祉大学, 情報社会学部, 助教授 (60278314)
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Keywords | 中国 / 私的経営者 / 世界システム / 地域文化 / 国営企業 |
Research Abstract |
本年度は、質問票調査の本調査の実施、聞き取り調査の実施を行った。そのほか、成果の中間的なとりまとめをほぼ終了しつつある。主要な内容と成果は次のとおりである。 1.5月末、日本側研究者が研究打合集会を開催し、前年度の質問表調査の現地プレテスト、および現地聞き取り調査(予備調査)に関わる研究成果の報告、本年度の本調査実施に関わる修正点の確認を行った。このなかで、調査事項について、私的経営者の意識の面についての項目を追加する必要があること、質問票調査の調査対象地域を全国範囲に広げる必要があることが確認された。 2.9月初旬、日本側研究者が中国を訪れ、質問票調査の実施状況の確認作業を行った。一部地域での調査実施の遅滞に対する現地連絡、実施督促、および日程調整が主たる作業内容であった。その他、今年度の聞き取り調査(本調査)の調査地については、江西省(宜春地区)、陝西省(戸県)、浙江省(温州地区)とし、さらに各地域内の歴史的個性が明確な地点を選定することが合意された。 3.2月末から3月中旬にかけて日本側研究者が現地に入り、聞き取り調査を実施した。この調査結果から、a.国営企業の改革にかかわる失業者の雇用の吸収に対し、私営企業は限定的な役割しか果たし得ていないこと、b.労働者雇用に関わる問題は世界システムの最周辺部として位置づけられる地域で表出していること、c.私的経営者の形成と台頭には、国家権力との関係が色濃く反映していること、d.その一方で、地域における文化的背景もある意味で、彼らの形成と台頭の基盤となっていることが確認できた。 4.中間報告については、6月初旬をめどに専門雑誌に掲載されることが確定しており、そのとりまとめの最終段階にある。
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Research Products
(1 results)