1996 Fiscal Year Annual Research Report
日韓の森林関連産業に環境問題が与えた影響の比較分析
Project/Area Number |
08041048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 信 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20164436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安村 直樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70280948)
久保山 裕史 森林総合研究所, 林業経営部, 研究員
山本 伸幸 島根大学, 生物資源学部, 助手 (90284025)
立花 敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50282695)
井上 真 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10232555)
金 星一 ソウル大学校, 農業生命科学大学, 副教授
兪 炳一 林業研究院, 山林経営部, 林業研究官
金 世彬 忠南大学校, 農科大学, 副教授
尹 汝昌 ソウル大学校, 農業生命科学大学, 教授
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Keywords | 森林関連産業 / 木材貿易 / 木材輸出規制 / 丸太輸入元の多角化 / マダラフクロウ保護 / サーモン保護 / 森林レクリエーション / 森林伐採制限 |
Research Abstract |
まず、本年度8月に実施した韓国ソウル特別市と仁川直轄市の調査では、山林庁、林業研究院、ソウル大学校、合板工場、商社などを訪問して、森林関連産業と木材貿易に関する資料収集と聞き取り調査、および情報交換を行った。韓国における調査研究の成果と日本国内で得られた知見とを合わせると、次のようにまとめることができる。 (1)主として環境問題に端を発した木材輸出国での木材輸出規制は、日本と韓国の森林関連産業へ少なからぬ影響を与えてきたこと。具体的には、日本では輸入丸太価格高騰による木材加工工場の廃業および木材製品輸入の増加が進み、韓国では丸太輸入元の多角化がはかられている。 (2)木材製品輸入において両国とも製材品や合板に代わって集成材が急増していること。 (3)韓国の森林関連産業の中で、特に森林レクリエーションへの需要が急速に高まっていること。 つぎに、本年度2月に実施した米国オレゴン州とワシントン州の調査では、州政府当局、ワシントン大学、森林関連企業、商社、森林伐採業者団体、環境保護団体などを訪問し、環境保護運動や森林関連産業、関連の法制度に関する資料収集と聞き取り調査、および情報交換を行った。その結果、以下の知見が得られた。 (1)マダラフクロウとマダラウミスズメの保護問題に加えて、サーモン保護の動きが出始めていること。 (2)マダラフクロウ保護問題などで森林伐採が制限されたのに伴って、丸太生産・製材品生産の減少などに象徴されるように、両州の森林関連産業の状況は厳しさを増していたが、伐採規制が緩和の方向に向かいつつあるなどの揺れ戻しが起きつつあること。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 立花敏: "日本の針葉樹材需給構造に関する計量経済学的研究" 東京大学農学部演習林報告. (1997)
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[Publications] 安村直樹: "森林に対する国民の期待について:諸塚村と文京区のアンケート結果より" 東京大学農学部演習林報告. (1997)
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[Publications] 李春煕: "ソウルと東京における公園緑地関連行政組織の比較研究" 東京大学農学部演習林報告. (1997)