1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041052
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
吉田 大輔 横浜国立大学, 大学院・国際経済法学研究科, 助教授 (70272797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 政博 横浜国立大学, 大学院・国際経済法学研究科, 教授 (80229971)
井上 由里子 筑波大学, 大学院・社会科学系企業法学専攻, 助教授 (60232568)
須網 隆夫 早稲田大学, 法学部, 教授 (80262418)
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Keywords | マルチメディア / デジタル / ネットワーク / WIPO / ECディレクティブ / 全米情報基盤 / ライセンス規制 / 著作権 |
Research Abstract |
本研究は、マルチメディアの発達に伴う著作権制度の在り方について諸外国の検討及び対応状況を調査することを目的としており、平成8年度は、世界的傾向の把握、米国及びEU諸国の対応を中心に調査を行った。それぞれの調査事項を列挙する。 1)研究代表者吉田は、当初、米国又はEUを調査予定であったが、文化庁からの依頼により平成8年12月2日〜20日にジュネ-ブ(スイス)において開催された世界知的所有権機関(WIPO)の外交会議に参加し、デジタル化とネットワーク化に伴う新環境下での著作権等の保護を目的とした新条約の制定に関与した。この条約作成過程を通じて世界各国の専門家との意見交換を通じて全世界的な傾向の把握が可能となり、本研究にも極めて有益な経験となった。ただし、会議へは政府代表として参加したため、経費は公費負担となり、科研費を使用しなかった。また、研究に必要なCD-ROM資料を購入した。 2)研究分担者須網は、予定どおりEU諸国における動向調査を行った。EUは、域内の制度的ハ-モナイゼーションのために、各種の「ディレクティブ(理事会指令)」を策定している。ディレクティブの検討状況及び過去のディレクティブの実施状況を調査するとともに、マルチメディア対応のために活発な立法活動などを展開しているイギリスを調査した。 3)研究分担者村上は、独占禁止法の視点からの検討のために追加した研究分担者であるが、全米情報基盤整備のために活発な立法活動等が展開されている米国の状況について、独占禁止法の視点(知的所有権法は情報の独占と結びつくことが多いために、近年独占禁止法の視点からの検討も必須となっている。)も併せて調査を行った。 4)研究分担者井上は、当初、米国を調査予定であったが、体調が不調のために平成8年度の調査は中止せざるを得なかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 吉田 大輔: "双方向通信時代の著作物等の権利の見直し" 出版ニュース. 3月下旬号. 8-11 (1997)
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[Publications] 今井二郎・亀井正博・松本伸二・吉田大輔: "ジュネ-ブでのWIPO外交会議を振り返って2つの新しい条件成立までの動きとその成果" コピライト. 432号. 23-36 (1997)
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[Publications] 須網隆夫: "ECにおけるインフォメーション・ソサエティの動向(仮題)" 横浜国際経済法学(予定). (未定). (1997)
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[Publications] 吉田大輔・山本隆司・伊藤嘉行: "ネットワーク社会の法律問題がわかる12章" ダイヤモンド社(1997年初夏刊行予定), 500 (1997)
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[Publications] 須網 隆夫: "ヨーロッパ経済法" 新世社(1997年初夏刊行予定), 300 (1997)
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[Publications] 村上 政博: "知的財産のライセンスと独占禁止法" 弘文堂(1997年秋刊行予定), 300 (1997)