1996 Fiscal Year Annual Research Report

北欧及び近隣諸国の農業発展と公的・私的部門の営業サービス事業に関する研究

Research Project

Project/Area Number	08041058
Research Institution	Kyoto University
Principal Investigator	稲本志良京都大学, 農学研究科, 教授 (80026468)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	横川洋九州大学, 農学部, 教授 (30007786) 佐藤豊信岡山大学, 農学部, 教授 (40144737) 横溝功岡山大学, 農学部, 助教授 (00174863) 石田正昭三重大学, 農学部, 教授 (80144228) 永木正和鳥取大学, 農学部, 教授 (90003144) 桂瑛一大阪府立大学, 農学部, 教授 (70035989) 浅見淳之京都大学, 農学研究科, 講師 (60184157) 小田滋晃京都大学, 農学研究科, 助教授 (70169308) 野田公夫京都大学, 農学研究科, 教授 (30156202) 加賀爪優京都大学, 農学研究科, 教授 (20101248) 小池恒夫滋賀県立大学, 環境学部, 教授 (50074076) 生源寺真一東京大学, 農学部, 助教授 (40196580) 大泉一貫東北大学, 農学部, 助教授 (17733176) 佐々木市夫帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70125384) 黒河功北海道大学, 農学部, 教授 (90125310)
Keywords	農業経営支援事業 / 営農サービス / 普及事業 / 普及組織 / 事業形態 / 民営化 / 農業経営外部化 / 経営管理
Research Abstract	本年度は、3年間にわたる本調査研究の初年度となっており予備的検討と予備的調査を中心とした取り組みを総合的に行なった。まず国内研究会を6月、7月、11月に実施し、(1)課題と意義、役割分担に関する共通認識を得ること、(2)特に、営農サービス事業の概念と意義に関する共通認識の確立、(3)国内で入手可能な関連文献に関する情報交換、(4)訪問国の農業・営農サービス事業に関する事前情報の交換を行った。そして、9月から10月にかけて北欧及びその近隣諸国の調査を行なった。本年度はその中で、フランス、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、イギリス各国の農水省、普及所・農業団体(農協・農民連盟・農業会議等)の本部、一部、地方の行政機関・農業団体、民間企業等を訪問して、予備的調査を重視した本格的な実態調査、資料収集を行った。各国の農業経営支援事業に関して全貌を得ることが出来た。合わせて、分担個別課題に関する実態を把握することが出来た。その結果、北欧及びその近隣諸国における協同組合の性格や活動に関する紹介は無かった訳ではないが、次の諸点の知見を得た。(1)日本で紹介されている以上に、協同組合の性格は多様であり、また、販売事業とそれを媒介とした技術、経営指導を積極的に実施していること、(2)協同組合が出資して設立された別会社が充実した農業経営支援事業を実施していること。また、普及組織の民営化がわが国に紹介されているが、それらはすべてが軌を一つにしているのではなく、大きく2つの流れに大別される。1つは、公的に展開されてきた普及事業が民営化されていく流れであり、2つは、元々、農業団体、農業者など民によって実施されてきた流れである。さらに、就農過程、就農後の農業者教育が極めて多様化しつつ、充実されてきている。これらの点はこれまで日本に紹介されてきた内容をはるかに越えるものである。なお、本調査研究の本調査となる来年度に関しては、本研究の最も中心的なキーワードである「農業経営支援事業」の概念が、今年度の調査で相手国の関係者に十分に理解してもらいにくいということがあったため、その説明の仕方、英訳を改善する必要を痛感している。