1997 Fiscal Year Annual Research Report
日本、中南米、オセアニアにおける木材貿易構造、環境規制の変化に関する計量的研究
Project/Area Number |
08041066
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
行武 潔 宮崎大学, 農学部, 教授 (30174832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TORRES Juan チャビンゴ大学院大学, 森林学部, 助教授
寺岡 行雄 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (40264105)
吉本 敦 宮崎大学, 農学部, 助教授 (10264350)
加藤 隆 森林総合研究所, 林業経営部, 科長
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Keywords | 森林経済学 / 木材貿易 / 環境政策 / 木材加工 / 日本市場 / 熱帯林経営 / 市場均衡モデル / 計量経済モデル |
Research Abstract |
今回の主な調査研究結果を述べれば、以下のようになる。 ニュージーランドの人工林を保有する企業には外国資本の企業が多く、木材の2次、次加工部門を有し海外へ輸出しているところが多い。最近パートナーシップ植林運動が盛んになり、牧草地等を分譲し国内の一般の人々からの植林投資が行われている。 近年木材の消費国として、韓国、中国のオセアニア、北、中、南米等からの輸入が顕著である。 ニュージーランド、北米等の木材については、Jソ-ト(日本向けの高品質材)、次いで韓国のKソ-ト、中国のCソ-ト等のグレイドで基本的に取引されている。韓国では経済成長とともにより高品質の材を建築の内装用に求めており、今後産地の状況如何では日本と競合することも考えられる。中国ではポプラ植林とそれを原料とした合板生産が急増している。また豊富な労働力を背景とした海外の企業が中国に進出し、ニュージーランド等の原木を加工して日本等へ再輸出している。 オーストラリアは製材品の国内消費量の3割を輸入に依存しているが、政府の見通しでは2020年を目標とした植林計画が立てられており、この人工林からの丸太供給の増加と加工能力の拡大により、2000年代のはじめには製材品の純輸出国になるであろうとされている。 環境保全大国目指すコスタリカは、カーボンボンドの売買により、私有林の買収及び植林への援助を行おうとしているが、カーボンボンドの市場での一般性がなく、価格付けに更なる研究が必要であることが確認された。現在熱帯林からの利用材種はかなり特定されており、全体的に森林経営効率を低下させている。ボリビアでは森林法を改定し、課税方を材積基準から面積基準へ変化することにより、森林資源の効率的な利用を目指している。そのためには、少なくとも木材消費国においては、これまでの未利用材種への市場構築を考えていく必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 加藤 隆・行武 潔, 吉本 敦: "林産業の急成長を支えるブラジルの人工林資源" 熱帯林業. 41(1). 2-14 (1997)
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[Publications] 田代 一八・行武 潔, 吉本 敦: "林産物の貿易・需給に関する計量経済分析、-日本国内地域モデル-" 日林九支論. (印刷中). (1998)
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[Publications] 梶原 純慈・吉本 敦, 行武 潔: "林産物貿易に関する非線形空間均衡モデルの構築、-日本国内均衡モデル-" 日林九支論. (印刷中). (1998)