1998 Fiscal Year Annual Research Report
中国における産業立地の展開と地域連携システムに関する実証研究-外資導入と広域経済圏の形成を中心に
Project/Area Number |
08041072
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
古澤 賢治 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (80181452)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 政孝 大阪市立大学, 教授
路 林書 国務院発展研究中心, 主任研究員
中川 信義 大阪市立大学, 教授
李 暁西 国務院研究室, 主任研究員
|
Keywords | 中国の産業立地 / 地域連携システム / ハルピン / 連雲港 / 上海宝山区 / 自動車産業 / 第一汽車集団 / 金杯集団 |
Research Abstract |
1. 本研究は、中国の産業立地と投資環境及び地域連携システムの研究に中心課題を置き、外資導入と地域間協力の現地調査を軸に研究を進めてきた。とりわけ本年度は、研究プロジェクトの最終年度で、補足的調査と全体的な取りまとめに努めた。ただ、1997年に生じたアジア通貨・金融危機が中国にも大きな影響をもたらし、国有企業を中心とする経済状況の悪化も深刻になった。こうした情勢変化により、我々の研究も新しい角度から深める必要が生じた。 2. 本年度は外資導入の現状調査としてハルビン、長春、連雲港、天津と上海の崇明島と宝山区などの経済技術開発区を訪問した。中国東北地方は、改革開放への取り組みが遅れた。しかし、経済発展の波はこの地域にも届くようになっており、10数年前に訪問した時に比べて隔世の感があった。特にハルビンはロシアとの関係が色濃く、エキゾチックな街作りを進めている。連雲港は1984年から対外開放され、欧州との鉄道「大陸橋」の起点だが、工業基盤の限界から発展は遅れていた。再認識したのは上海宝山区で、開発区の建設は急速である。 3、 具体的な調査対象としてきた自動車産業では、昨年度の上海サンタナ、東風集団に続き、第1汽車集団、金杯グループなどを訪ねた。さらに、農村工業や日系の独資企業などの各種部品メーカーを調査することもできた。これらにより、本研究プロジェクトでは、主要な自動車メーカーのほとんどを調査し、中国自動車産業の現状認識を深めた。さらに北京師範大学の史培軍教授との意見交換において、中国が今後の自動車産業の発展で、環境問題を特に意識し始めたことを認識できたのは大きな成果だった。
|
-
[Publications] 古澤賢治: "上海の開発区と投資環境" 季刊経済研究. 21巻2号. 25-46 (1998)
-
[Publications] 古澤賢治: "中国の対外開放と経済開発区(学会報告)" 日本現代中国学会全国大会 1998年10月17日.
-
[Publications] 植田政孝: "中国の地方統治システムと新税改革" 季刊経済研究. 21巻2号. 87-101 (1998)
-
[Publications] 中川信義: "アジアの経済危機と日本" 経済. No.34. 20-67 (1998)
-
[Publications] 中川信義: "The Asian Automotive Industry amid the Economic Crisis" WTC OSAKA Newsletter “View". No.12. 6-7 (1998)