1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041074
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
石川 晃弘 中央大学, 文学部, 教授 (80055178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZDENEK STAST スロバアキ科学アカデミー, 社会学研究所, 主任研究員
LUBOMIR FALT スロバアキ科学アカデミー, 社会学研究所, 所長
岡野 宏昭 国民経済研究協会, 理事長
園田 茂人 中央大学, 文学部, 助教授 (10206683)
川崎 嘉元 中央大学, 文学部, 教授 (90055228)
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Keywords | 体制変動 / 地域社会 / 地域権力構造 / 生活変動 / ローカル・リーダー |
Research Abstract |
来年度の本調査を控えて本年度は、(1)基礎的マクロデータの収集、(2)前回調査(1991年-92年)データの再整理と再分析、(3)調査対象地域でのラポール形成と予備踏査、(4)来年度調査の枠組作りとローカルリーダーおよび住民向けアンケート票の準備、を行った。実績は、(1)地域別統計資料の収集とデータ入力、新地方行政制度(昨夏できた)の情報入手、(2)前回調査のうち住民アンケート結果の再加工、ローカルリーダーの構成分析、(3)ブレズノ、バンスカ-・シチアヴニッツァ、プレショフ、スモコヴェッツの各市の訪問視察とそれぞれの市のキイ・パーソンからの地域社会の概況聴取、ブレズノとバンスカ-・シチアヴニッツァについては現在のローカルリーダー層のリストの作成、(4)上記の作業を踏まえて本年3月にスロバキア側研究分担者の日本招聘と中間総括討議、である。 以上の作業を通じて得られた暫定的な知見を述べると、第1に、新地方行政組織のもとで国家行政機構の地方支局と地方自治体との間に新たな矛盾が生まれていること、第2に、市議会の政党別構成が大きく変わったが、ローカルリーダーの構成と基本的な地域権力構造はほとんど変わっていないこと、第3に、女性の社会的政治的参加が顕著に後退し、その私生活志向が広がっていること、第4に、旧国営企業のリストラがまだ進行中だが、小規模私企業は地域経済にほぼ定着したこと、第5に、総じて脱社会主義の体制変動はその第一局面をへて今新しい段階に入りつつあるかにみえ、急激な生活変動のもとで生み出されたアノミー現象も一定の収拾をみせ、生活の再構造化が定着をみせていること、等である。来年度はブレズノとバンスカ-・シチアヴニッツァを事例としてインテンシヴな地域調査を行い、体制変動の新局面を地方小都市レベルで追求する。
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