1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08041075
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
根本 孝 明治大学, 経営学部, 教授 (20132087)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 芳彦 文京女子大学, 経営学部, 助教授 (40202907)
茂垣 広志 横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (60200325)
坂本 恒夫 明治大学, 経営学部, 教授 (40147955)
諸上 茂登 明治大学, 商学部, 教授 (60130837)
|
Keywords | アジア日系企業 / 日系多国籍企業 / 海外子会社 / 海外孫会社 / グローバル経営 / マザ-工場 / 調整メカニズム / 相互学習 |
Research Abstract |
日系多国籍企業における調整メカニズムの実態について、われわれの開発した類型モデルを深耕するために今年度はタイ、インドネシア、中国、台湾の日系企業各社をヒアリング調査した。その結果、取り扱い製品属性、企業設立の経緯(新設か買収か)および年数、担当機能(販売、生産、製販、研究開発機能、地域本社)さらにはその下位機能、および立地地域の特殊性(制度的および文化的要因)によって日本親会社との調整の必要性の程度、および用いられる調整メカニズム(集中化、プログラム化、社会化)が異なることが、昨年度のヨーロッパ調査同様見出された。特に操業年数の長い海外子会社で経営資源の蓄積度が高い拠点においては、本社からの自律度を高め、すでに孫会社を設立、指導しているケースも見られ、いわゆる「マザ-・工場」としての役割、ポジションを獲得してきている。こうしたケースの増加とともに海外子会社の役割、グローバルなグループ経営の中での位置づけはきわめて多様化、複雑化が進展してきている。すなわち、本社と海外子会社の調整メカニズムは孫会社の存在も視野におさめながら、海外子会社の類型化を含む、モデルの精緻化が必要となってきていると思われる。それは同時に子会社、孫会社のみならず本社も含めた相互学習の実態解明が調整メカニズム研究にとっても重要な課題であることが本年度の現地調査の結果、明らかにされた。そうした現象はアジア域内提携関係の高まりの中で際だっており、米国あるいは欧州での実態、動向とは異なるのか、その異同の比較は来年度調査の一つの課題でもある。
|